再稼働前に「核のゴミ」の上限を決めよ

自民“脱原発"の旗手、河野太郎氏に聞く

プルサーマル(プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を通常の原発で利用すること)をやるためにMOX燃料の工場を造ったら、兆の単位でお金が出ていく。かけたコストに見合うウラン燃料の節約にはならない。まったくの無駄遣いだ。日米原子力交渉で勝ち取ったというメンツでやってもらっては困る。ちゃんと理屈で議論すべきだ。

米国は、日本に再処理をやめてほしいと考えている。日本がやるから韓国や南アフリカもやりたいと言うなど、“ドミノ”を懸念している。日本はもはやメンツだけで再処理路線を継続とはいかなくなっている。

核のゴミの問題は今まで見て見ぬふりをしてきたが、福島原発事故以降、自民党もそれができなくなった。かつての与党時代は完全に見ないふり。通産官僚も自分がやめた後の話だと言っていた。しかし、最近入省した人は、自分がやめる前に問題になるのがわかっているから、議論の必要性を感じている。

使用済み燃料は基本的に消費地が責任を持つべき

今ある1万7000トンの使用済み燃料をどこまで増やすのかを決めれば、どこまで原発を動かすかが決まっていく。最終処分(地層処分)するまで使用済み燃料をドライキャスク(使用済み核燃料を保管するための金属製乾式容器)で保管するという日本学術会議の案で行くならば、暫定保管の上限を決めて、そこまでは原子力を動かすが、そこから先は再生可能エネルギーなどへ移行するプランをはっきりさせる必要がある。

廃炉をどうするか、原発をやめたあとの地域振興をどうするか、についてもその間にきちっと決めなくてはならない。地域に対して約束した“手形”を落とせないからと、都合悪いことに目をつぶるのではなく、国策に協力してくれたのだから、国策が変わっても地域には迷惑をかけませんとはっきり言って、きちんと手当をする必要がある。

――使用済み燃料はどこに保管すべきか。

原則として消費地だと思う。発電電力の消費量に応じて消費地が責任を持つ。ただし、消費地に置く場所がないというならば、きちっと財政的手当をしたうえで、他に置いてもらう。

――(消費地である、河野議員の)地元の神奈川県で納得が得られるだろうか。

いろいろ議論はあるだろうが、消費地は知りませんというわけにはいかない。原発の敷地内に置くのなら、消費地がそれなりの財政的措置を取る必要があろう。

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