この労働環境の情報開示については、もうひとつ大きな出来事がある。リクナビやブンナビなど、求人情報を提供する会社で組織する全国求人情報協会(全求協)が、今年の採用広報活動解禁の時期に合わせて、職場情報の提供促進に関する協会の方針をまとめ、採用広告を出す企業側に情報開示を求めるようにしている。その項目が「職場情報の提供」と「固定残業代」に関する表記だ。
この背景には、青少年への適切な職業選択支援などを目的とした、若者雇用促進法が2015年10月に施行されたことがある。新卒者の募集に際し、「固定残業代の表示」や「職場情報の提供の義務化」を定めた法律であり、職場情報に関しては、「募集・採用に関する状況」「職業能力の開発・向上に関する状況」「企業における雇用管理に関する状況」について応募者から求めがあった場合、それぞれの項目(類型)から1つ以上の情報提供を義務付ける内容となっている。
「平均勤続年数」「研修」「女性割合」も対象
これを受けて全求協では下記の通り、3類型13項目を職場情報として情報開示する項目として掲げ、2018年卒生の採用活動から類型ごとに1つ以上の情報開示を掲載企業側に求めている。加盟社のひとつであるマイナビは「今までも情報内容を厳密にチェックしていたが、法令通りの情報開示も審査の要件として加えている」としている。
・過去3年間の新卒採用者数・離職者数
・過去3年間の新卒採用者数の男女別人数
・平均継続年数
※平均年齢
・研修の有無とその内容
・自己啓発支援の有無とその内容
・メンター制度の有無
・キャリアコンサルティング制度の有無及び内容
・社内検定などの制度の有無と内容
・前年度の月平均所定外労働時間の実績
・前年度の有給休暇の平均取得日数
・前年度の育児休業取得対象者数・取得者数(男女別)
・役員に占める女性の割合と管理職に占める女性の割合
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