今年の就職活動の大きなテーマとなっているのが「働き方改革」だ。政府が長時間労働の是正などを提唱したことや、昨年発覚した電通の過労死事件を契機に、働き方改革は就活市場でも大きな関心事になっている。売り手市場が続いていることに加え、学生も労働環境が厳しいブラック企業には就職したくない、という心理も働く。
開示しないと学生から不信の目で見られる
「学生がワークライフバランスやキャリアステップなどを重視してきており、質問も堂々とできるようになってきた」と、「みんなの就職活動日記」を運営する、楽天の福地茂樹・みんなの就職事業課ヴァイスシニアマネージャーはそう指摘する。
一方の企業側も、離職率や残業時間など昨年まで開示することを避けていた情報を、積極的に開示するようになった。合同企業説明会などの就活イベントを訪れると、自ら進んで自社の労働環境・職場状況をアピールする企業が目立つ。採用コンサルタントの谷出正直氏は「いつもは隠していた情報だが、隠すと逆に何かあるのではないかと、学生から不信の目で見られてしまう。積極的に開示することで、結果的に誠実な企業という印象を学生に残すことができる」と分析する。
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