男性よ、もっと家事や育児をせよ! ガラパゴス化している、日本の女性活用【最終回】

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

さて、米国企業の両立支援(保育関連の情報提供、相談受付やセミナー開催など)はたいてい必要とする全社員が利用できる。だが、多くの企業で導入されている柔軟な勤務形態は許可制である。「全社員に平等に」ではなく、利用できる人とそうでない人がいるのだ。「それは不公平だ」と感じる人もいるかもしれないが、意味なく許可制にしているのではない。仕事へ影響が出るからである。

たとえば職種によって仕事の性質上、時短勤務が難しい場合もある。それぞれ見極めていかないと、会社にとって柔軟性の拡大がコスト増となり、ビジネス上のメリットが得られないということにもなりかねないのだ。

前回お伝えしたように、働き方の柔軟性は、労働時間を短くしないフルタイムでさえ、事前に体制を整備しないと仕事に弊害が出やすくなる。労働時間が短くなる時短勤務では、より影響が大きくなることは自然なことともいえる。

その事実を認識した米国企業は、適切な選択方法や運営体制を整え導入することで、労働時間の短縮を含め、実に多種多様の柔軟な働き方を成功させている。

確かに米国では働き方の柔軟性が進んでいるが、それでも時短勤務の利用者は欧州よりもぐっと少なく、また、主要アジア諸国では時短勤務がないため、「フルタイム同士の共働き夫婦」が非常に多い。

では、米国とアジアではどのようにフルタイム同士のカップルが時短勤務を利用せずに、仕事と家庭を両立しているのだろうか。

まず、アジアでは手頃な価格で家事育児のすべてを担ってくれる住み込みの家政婦を雇うことができる。妻は洗濯も掃除も料理もしなくていい。子供が急に熱を出しても家政婦が看てくれるから休まなくていい。仕事が終わって家に帰れば、出来上がった夕食を食べて子供と遊ぶだけ。

次ページ3重苦のしかかる日本と韓国の妻たち
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事