男性よ、もっと家事や育児をせよ! ガラパゴス化している、日本の女性活用【最終回】

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さて、日本女性の労働力率は他の主要な国々の45~48%と大きく変わらない41.6%だ(下図参照)。しかし、管理的職業者の比率(管理職比率)になると日本は9.3%と韓国(9.6%)と並び極端に低くなる。このことは、高等教育を受け能力があるにもかかわらず、日本女性が担う仕事の質が諸外国の女性よりもはるかに低いことを意味する。

重要な仕事を経験した女性の数が少ないことは、将来の大きな問題として認識すべきだ。今後、グローバル化が進み、海外女性たちと共に働くことが普通になったとき、日本女性に任される仕事の「質」と「ポジション」が心配になるのは筆者だけはないだろう。

海外事情を知れば知るほど、欧米と同様にメイドの人件費が高い日本で、女性活用を前進させるために必要な両立支援策は、これ以上の女性だけへのサポートではなく、男性の仕事と家庭の両立支援の充実にほかならないことを強く感じる。

つまり、女性活用を前進させるための両立支援は、男性が家庭責任を担いながらも仕事の支障が最低限に抑えられ、能力を発揮できる支援策だ。そのような男性の両立支援が充実すれば、女性は夫と共に家庭責任を担いながら期待されるパフォーマンスを出すことができるようになるはずだ。

女性をサポートするだけでは、政府目標達成は無理

政府は「2020年までに指導的立場の女性を30%に」と言うが、それは男性の働き方を変えムダな長時間労働を是正することで、男性が家庭責任を果たせるようにしないかぎり、達成できないだろう。

今まで何度も「企業パフォーマンス向上のために女性活用を進める」と言ってきたが、それが達成できない最大の要因は、男性の働き方を変えず、女性だけに「仕事・家事・育児」を負担させる制度を手厚く整えたからだ。このままでは妻が自分のキャリアと引き換えに、夫の家庭責任を肩代わりしながら働く今の状況が続くだけで、今後の女性の活躍は期待できない。

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