「藍」の真実をどれだけ知っていますか

思わず人に話したくなる蘊蓄100章

褐色(かちいろ)

81. 「褐色」は紺色よりさらに濃く暗い紫みの藍染めの色

青褐

82. 「青褐(あおかち)」は褐色の青みの強い色。奈良時代から存在する古い色名で、正倉院文書の経紙出納帳に青褐色の紙を注文した文書が残っている

83. 「止め紺」はこれ以上濃くならないほど暗い藍染めの色

84. 「青は藍より出て藍より青し」という諺は「藍草からとった青色は、藍草そのものの色より優れる」という意味で、「弟子が師匠を超える」ことのたとえ

85. 中国の戦国時代に活躍した儒学者・荀子の「出藍の誉」という故事成語も同じ意味

86. 藍を「愛」「会う」の掛詞として、古来、藍の本場だった播州飾磨地方を歌枕とする和歌も残されている

87. 歌舞伎の『伊勢音頭恋寝刃』は徳島城下の富裕な藍玉屋が遊女「お紺」に熱を上げる話で実話を脚色した物語

民間伝承としての藍の効用

藍の葉(写真:531 / PIXTA)

88. 藍はそもそも漢方薬として中国から伝わった説もある

89. 1712年『和漢三才図絵』の序に「藍の実には諸毒を解し、五臓六腑を整える薬効効果がある」との記述がある

90. 藍葉を煎じた「藍茶」は滋養強壮効果があるとされ、昔の旅人は藍葉を携行し食あたりや解熱用、解毒用に用いた

91. 藍で濃く染めた布や紙は虫を寄せつけないといわれ、野良着、足袋など仕事着に藍染めが用いられた

92. あせもやかぶれ、皮膚病などに対しても、殺菌効果があるとして藍染めの下着や靴下は重宝された

93. 本藍染めで染められた生地は元の生地を30%強くし、化学染料で染められた生地は元の生地を10%弱くするともいわれる

94. 色を重ねて染める藍の布は強く燃えにくく、保温性にも優れることから、道中着や火消しの半纏にも用いられた

95. 当時の火縄銃にも、燃えにくいという性質をいかして藍染めの糸で編んだ縄が利用された

96. 藍には、ストレスで生じる一酸化窒素やプロスタグランジンを抑える効果もあるといわれている

97. 近年の成分分析では蓼藍は抗酸化物質であるポリフェノール、抗菌物質であるトリプタンスリンを豊富に含む

98. 藍はポリフェノールの中でもケンペロールをホウレンソウの約10倍含有する

99. 藍の生の葉は苦みがあるが旨味もあり、包丁で切ると粘りが出る。そのまま料理に使い、食することができる

100. 藍の葉を乾燥させた藍茶や、粉末に加工した藍パウダーも商品化されている

(文:森谷 美香/モノ・マガジン2016年11月16日号より転載)

参考文献・HP/『日本の藍 ジャパン・ブルー』(紫紅社)、『藍染めの歴史と科学』(裳華書房)、『藍染め』(NHK出版)、キヤノン ホームページ、武州中島紺屋 ホームページ、ほか関連サイト
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