41. ウォードを使ったヨーロッパの伝統的な藍染めは、すでに今世紀初め頃に途絶えたといわれている
42. インドでも木藍は現在ほとんど生産されず、藍染めは合成染料が主流となっている
43. 米国で開拓時代に作業着として作られたジーンズは、当初はインディゴの匂いを嫌う毒ヘビや毒虫除けの効果を得るために天然インディゴで染められたとの説がある
44. 実際には、一般的なジーンズは木綿布を合成インディゴで染めて作られる
45. デニムの起源は、フランスのニーム地方で生産された、縦糸と白糸の横糸を綾織にした生地であり、生産地の名にちなみ「デニム」と呼ばれるようになったという説もある
46. 本藍で染めた生地は、他の生地と一緒に洗っても色移りしないという特長がある。化学藍は色移りするので注意
47. 第二次世界大戦中、藍は栽培禁止の作物になった
藍染め独特の染色法
48. 藍は、水に溶けないという性質をもつ
49. 藍染めの染色法は草木染めとは異なる原理をもつ
50. 水に溶けない藍を発酵という過程で可溶化させ、染色可能な状態にすることを「藍を建てる」という
51. 藍は春に種を蒔き、夏に刈り取って乾燥させる
52. それに水を加え100日ほどかけて発酵させ、「すくも」と呼ばれる染料を作る
53. すくもを作る職人を、「藍師」と呼ぶ
54. すくもを運搬しやすいように臼で突き固めて乾燥させて扁円形の小さな塊にしたものが「藍玉」
55. すくもを使用した藍建ては難しい工程となるため「地獄建て」とも呼ばれる
56. 藍建ての仕込みは、すくもと木灰と石灰を通した液に熱湯を入れ攪拌、泥状になったものを藍甕の水に加え、石灰を入れる。さらに麸、ブドウ糖、清酒、消石灰を加えて醗酵を待つ
57. 発酵の進み具合の目安となるのが「藍の華」。発酵時に発生する気泡が集まったもの
58. 藍の花が赤紫になり粘りがなくなると染色可能となる
59. 職人は藍を舐めて状態を確認する。元気な状態の藍はピリッとした味、疲れた藍は酸っぱい味がするという
60. 染料に布や糸を浸しては天日で乾かす作業を15回から20回も繰り返すことにより深い藍の色が現われる
無料会員登録はこちら
ログインはこちら