「藍」の真実をどれだけ知っていますか 思わず人に話したくなる蘊蓄100章

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今回は、人類最古の植物染料ともいわれる藍がテーマ(写真:moja / PIXTA)
モノ情報誌のパイオニア『モノ・マガジン』(ワールドフォトプレス社)と東洋経済オンラインのコラボ企画。ちょいと一杯に役立つアレコレソレ。「蘊蓄の箪笥」をお届けしよう。
蘊蓄の箪笥とはひとつのモノとコトのストーリーを100個の引き出しに斬った知識の宝庫。モノ・マガジンで長年続く人気連載だ。今回のテーマは「藍」。あっという間に身に付く、これぞ究極の知的な暇つぶし。引き出しを覗いたキミはすっかり教養人だ。
この連載の一覧はこちら

01. 藍は、藍色(青色)の色素(インディゴ)を含む染料。またそれを生み出す植物の総称

02. 藍は人類最古の植物染料ともいわれる

03. 自然界から抽出できる青色は限られ、とくに植物染料の中では青を発色するのは藍(インディゴ)だけといわれる

04. インディゴ染料の最も古い主産地はインド

05. インドでの藍染めの起源は紀元前2000年頃といわれ、当時すでに製藍は輸送に適するよう固形化されていた

06. 製藍されたインド藍は紀元前後には地中海沿岸に輸出された記録が『エリュトゥラー海案内記』に残る

07. インディゴ(indigo)という言葉は、ギリシャ語の「indikon」(インドの染料の意味)を語源とする

08. 紀元前のインダス文明の遺跡では藍染めの染織槽跡が発見されている

6000年前の「ジーンズ」

09. 今年の9月にペルーの遺跡で発見された6000年前の「ジーンズ」が現時点で、世界最古の綿織物である

10. 紀元前1300年頃のツタンカーメンのミイラにも藍染めの布が使用されている

モノ・マガジン3月16日号(3月2日発売)。特集は『ニューライフ ニューデジタル』です。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

11. 藍色(青色)の色素を持つ植物は、マメ科、アブラナ科、タデ科など世界中に100種以上存在する

12. ヨーロッパで古くから藍染めに用いられたのはアブラナ科の植物ウォード。中世には一大産業となった

13. 大航海時代以降、ヨーロッパにインド藍が伝わると、ウォードに取って代わり盛んに用いられるようになった

14. インド藍(木藍)はマメ科の多年草。色素成分が多く、沈殿法によって染めることができる

15. インド藍のインディゴ(藍色成分)の純度はウォードの約30倍。鮮やかな青を容易に染めることができる

16. ナポレオン3世はウォードを守るためインド藍に勝る製藍法を募り懸賞金を出したが、結局はインド藍の優秀さに勝てなかったというエピソードも残る

17. 日本の伝統的な藍染めは「蓼藍」を用いたもの

18. インドシナ原産の蓼藍が中国を経由して日本に伝来したのは、今からおよそ1400年前の飛鳥時代といわれる

19. 752年、大仏の開眼供養会で藍染めの絹の紐「開眼の縷」が使用された。これが日本に現存する最も古い藍染めで、正倉院に保存されている

20. 飛鳥~奈良時代、藍染めの青は天皇の官位12階6色の第2位で貴族階級の衣類は藍染めの絹製品だった

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