「真っ青」なハンバーガーが売れる町の正体 それは地域の危機感から生まれた
岡山県倉敷市といえば「水島コンビナート」をはじめとする製造業の集積地であり、2014年の製造品出荷額約4.6兆円は市町村別でみると豊田市(13兆円)、市原市(5.3兆円)に次ぐ全国3位(総務省統計局調べ)。中国地方のみならず西日本を代表する工業都市として知られる一方、倉敷川沿いの「美観地区」と呼ばれる白壁を基調とした街並みが有名な観光地も有する。
その倉敷の観光エリアで売り出されている一風変わったグルメが、ちょっとした話題になっている。特徴は「真っ青」(ブルー)な見た目。藍を練り込んだ青色のバンズで具材を挟み込んだハンバーガー、外側生地が青い肉まん、インディゴ・ブルーのソフトクリーム、青い麺のつけ麺――。お世辞にもとてもおいしそうには見えないこれらのグルメには、この地域の地場産業を象徴するキーワードが冠されている。
ジーンズの聖地で「デニム推し」
それは「デニム」だ。実は倉敷市は国産ジーンズ発祥の地。県内外はもちろん、世界からも注目が集まる「ジーンズの聖地」。そのデニムをグルメに引っかけているのである。先述したグルメは「デニムバーガー」「デニムまん」「デニムソフト」「デニムつけ麺」として売られている。
RSK山陽放送はTBS系全国28局で6月12日(日)午後3時30分から放送する『総延長3400キロ!全国縦断!新幹線グルメ』の制作において、新幹線にかかわる全国のグルメを追った。番組内でも紹介しているが、その一環でデニムグルメを取材中、家族旅行中喋らなかった思春期の男の子がデニムバーガーのお店を訪れて「お母さん!青いよ!」と初めて口を開いたのも印象的だったが、そもそもデニムで町おこしに励む倉敷の姿には、地元出身者が多いわれわれ取材班も正直驚いた。
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