人気工具「ネジザウルス」はアメリカを目指す

累計300万本売れたヒット工具の野望

いかにも大阪的! 高崎社長自ら頭にネジを刺して製品をPRする(写真:エンジニア提供)

スキンヘッドにネジが刺さっていて、それをペンチのようなもので抜こうとしている写真があります。ユーモラスな写真ですが、なんか痛そうでもあります。この写真の人物が、今回取り上げる「エンジニア」という会社の社長、高崎充弘さんです。

エンジニアは大阪市東成区にある従業員30名の機械工具メーカー。「ネジザウルス」というヒット商品で知られています。社長自ら頭にネジを刺して製品をPRするのが、いかにも大阪的です。

高崎さんは2015年10月、東洋経済オンラインでも2回、記事をお書きになっています(隠れた巨大ヒット「ネジザウルス」の秘密「ネジザウルス」をヒットに導いた3つの秘訣)。その後も順調に発展し、今では米国への進出にも力を入れています。

累計で300万本売れたネジザウルス

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そもそもネジザウルスとは何なのでしょうか。ご存じない方のために、その説明から始めましょう。

ネジザウルスは、頭の潰れたネジを取り外すことができる道具です。2009年に発売した新バージョンのネジザウルスGTが大ヒット、初代から数えて累計で300万本売れました。年間1万本も売れれば大ヒットといわれている工具業界で、発売後16年で300万本は驚異的な商品といえます。

そこで高崎社長、なぜそんなに売れたのかを考えました。ここがエライところです。失敗すると普通、皆さん失敗の原因を調べて反省します。でも成功すると、ほとんどの人は有頂天になって成功の原因を考えません。でも競争社会では、この分析こそが重要なのです。ビジネス用語でKFS(key facter for success 主要成功要因)といいますが、他社と比べて競争優位なのはどこか、を考えることが今後の会社の命運を左右するのです。高崎社長は成功の要因を分析し、その結果、ヒット商品を作る独自の方程式「MPDP」を見いだします。

マーケティング、パテント、デザイン、プロモーションの略です。市場調査をして(M)、大事な知的財産を守り(P)、性能だけでなく色や形にこだわり(D)、販売促進をしっかりやれば(P)、ヒット商品が作れるというものです。

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