なぜ、何のために第二院は存在するのか
「第二院は何の役に立つのか、もしそれが第一院に一致するならば、無用であり、もしそれに反対するならば、有害である」
これはフランス革命の指導者の一人であるシェイエスの言葉であるとされている。
最近、改革論が強く唱えられている日本の参議院を思い浮かべて、納得される方も多いかもしれない。
仮に、国民を代表する第一院の議決が常に正しいとすれば、この言葉は全く妥当と言うほかない。
しかし、第一院の決定に全てを委ねることには危険がある。第一院が、国民から遊離して暴走を始めたとき、その歯止めがなくなってしまうのだ。
近代化の局面のように、国家目標が明確で、先進国をいかに模倣するかが問題であれば、第二院の必要は薄いだろう。では、国家の目標が不明確で、社会における多様性が重視されている現代は、第二院が重要な時代ということになるのだろうか。
まず、どのような場合に第二院がその存在を要請されるか考えよう。
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