ネット選挙解禁のいちばんポジティブな影響

インターネットを用いた「落選運動」の懸念などもあったが?

2013年7月の参院選から解禁されることとなった「ネット選挙」。
しかし、そもそもネット選挙とは何なのか……?
巷間言われるように、解禁によって「お金がなくても政治家になれる」「ネットで見た候補者の発信に触発されて、若者が選挙に行くようになる」というのは本当か?
「この情報化社会にインターネットの使用を禁止するなんて、時代遅れもいいところだ!」という主張は正しいのか?
テクニカルな側面だけを見ていても、本質にはたどり着けない。ネット選挙を丁寧に一歩踏み込んで考察すれば、これらの主張が幻想にすぎないことは明らかだ。

解禁による静かな変化が、候補者・有権者・マスメディア・ネットメディアに及ぼす影響はどのようなもので、そこから日本はどう変わっていくのだろうか?

発売たちまち各メディア絶賛の『ネット選挙 解禁がもたらす日本社会の変容』を上梓、30歳、気鋭の社会学者が、わかるようでわからない「ネット選挙」を語る。私たちにとってあまりにも当たり前のインターネット技術。これが政治の世界、「選挙」に接続されることで、日本社会に波及する意外な影響とはどんなものか?
「自分ごと」としての「ネット選挙」に気づいたら、インターネットと日本社会の未来の関係を思い描くことは、面白くて仕方ない!

「電子投票」ではありません(念のため……)

2013年4月19日の参議院本会議をもって解禁が決まった「ネット選挙」だが、最近とみにメディアに取り上げられることが増えた。今夏の参院選は争点が乏しく、刺激的な話題が少ないと予想されるからかもしれない。

しかしながら、「ネット選挙」の詳細に深く踏み込んでまでの報道がなされる機会は少ないようだ。

ちなみに、「ネット選挙」という語感に、スマートフォンやPCからの電子投票が想起されがちだが、そうではない(「ネット選挙の目指すべき到達点は電子投票だ」という声も、しばしば耳にするが、その危険性については後ほど述べよう)。

2013年の公職選挙法改正による主要な変更点は、有権者、候補者、政党などが、一部制限つきとはいえ、そうとう程度自由に、「選挙運動」にインターネットを利用できるようになったことである。

ウェブサイト、ブログ、ソーシャルメディア、動画共有サイトなどが、ここで言う「インターネット」に該当する。電子メールと有料バナー広告には、制限がついたままだ。

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