政治の世界のタイミング「選挙サイクル」の問題 解散はどう決める?「波乗り」と「政治的景気循環」

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「解散時期はウソをついてもいい?」

著者:砂原庸介(政治学者、大阪市立大学准教授) 撮影:今井康一

2012年12月16日に行われた総選挙では、自民党と公明党が合わせて300超の議席を獲得した。1カ月前の11月16日、野田佳彦首相による突然の解散表明からこの選挙は始まった。

半年以上任期が残るにもかかわらず突然解散を決めた野田首相は、結果だけ見れば、勝ち目の薄い総選挙に打って出て大敗したことになる。

  衆議院解散の決定は、首相の重要な権限のひとつと理解されている。その影響力が大きいため、メディアを含めた狭いサークルでは、「解散(と公定歩合)だけはウソをついてもよい」という表現もしばしば用いられ、それが首相の権力の源泉であることはほとんど疑問視されない。

しかし、選挙のタイミングの決定は、民主政治にとって極めて大きな意味を持つ。本来その効果は慎重に検討されなくてはならない。

 

死んだふり解散:1986年の衆参ダブル選挙では、中曽根首相が参議院選挙に合わせた衆議院の解散を断念したと思わせながら(死んだふり)、 実際は参議院選挙に合わせて解散を挙行して準備不足の野党に圧勝した。

 

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