中選挙区制の罪深さ、育てるべきは政党だ

ノスタルジーを捨て、今考えるべきこと

2012年冬、自民党。得票率43%で獲得議席は79%!

著者:砂原庸介(政治学者、大阪市立大学准教授) 撮影:今井康一
 
 

2012年末の総選挙では、小選挙区で、得票率43%にすぎない自民党が、79%(小選挙区300のうち237)もの議席を獲得した。2005、2009年に続き、今回も小選挙区において得票率と獲得議席率が大きく離れた結果だ。

これを受け、不安定な選挙結果をもたらす小選挙区制はやめ、旧来の中選挙区制を復活させるべきとする意見が出てきている。

公明党は以前から小選挙区制に批判的で、中選挙区制の復活を唱えている。最近では日本経団連の提言「国益・国民本位の質の高い政治の実現に向けて」が、

「中選挙区制下では可能であった、天下国家を語ることのできる優れた政治家が、着実に連続当選を重ねることが困難となる一方で、経験不足の新人議員が散見されるようになっている」

と、毎回選挙結果が大きく変わる小選挙区制への懸念と中選挙区制の再評価を表明している。

もちろん、現行の選挙制度に欠点がないとは言えないし、その見直しは不断に行われるべきだろう。しかし、以前の中選挙区制の復活は明確に否定されるべきである。その主要な理由は、中選挙区制が政党内の激しい対立と競争を生み出すことだ。

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