「統一地方選挙」が盛り上がらない理由 「制度」が政治に与える影響

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統一地方選の後半戦が始まっていますが……。どこか盛り上がりに欠けると思いませんか?(m_spike / PIXTA)
「自民党はなぜ強いのか? これからも強いのか?」「なぜ、町村議会議員は“無所属”ばかりなのか?」「“統一地方選”って何のイミがあるの?」このような疑問に答えられる人は、実はとても少ない。
そんな、わかりそうでわからない政治の世界をコンパクトにまとめた新刊『民主主義の条件』を上梓した新進気鋭の政治学者・砂原庸介氏が、3回にわたり、大人が学んでおきたい政治の基礎について解説する。

統一地方選挙がまったく盛り上がらない

大人が学んでおきたい「政治のしくみ」基礎のキソ。民主主義の根幹を、サントリー学芸賞受賞・新進気鋭の政治学者が一からわかりやすく解説する。日本政治をリアルに理解するための新常識が、この1冊に凝縮!

2015年は、4年に1度の「統一地方選挙」の年です。統一地方選挙とは、戦後、初めて地方自治体の知事選挙や市町村長選挙、そして地方議員選挙が行われた1947年に、4月の同じタイミングで選挙が実施されたことに始まるものです。

初めて統一地方選挙が行われたときは、もちろんすべての地方自治体で、日本全国一斉に選挙が行われました。しかし、その後、特に知事・市町村長といった「長」の選挙については、在職中の死亡や任期を残しての辞職などによって、統一地方選挙と違うタイミングで選挙が行われることが増えています。

地方議会はというと、都道府県議会の選挙はそのほとんどが統一地方選挙で行われています。例外は不祥事での自主解散の経験を持つ東京都・茨城県と、1972年に日本に復帰した沖縄県、東日本大震災の影響を受けた岩手・宮城・福島の3県です。市町村議会は市町村合併によって、統一地方選挙と異なるタイミングで選挙が行われることが増えています。結果として、都道府県議会と東京都の特別区議会を除けば、たいして統一的に行われていないのが、現在の「統一地方選挙」なのです。

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