なぜ国会議員は「路チュー」してしまうのか 許されること、許されないことの境界とは
「永田町の住人は『路チュー』が好きなのですか」――。
そんな声が聞こえてきそうだ。「路チュー」(路上でのキス)といえば、数年前にあった、政界のプリンスと女子アナの暗闇に映し出された、あのキスシーンが印象深い。永田町やメディアではこの話題で持ちきりになっているが、何のことだかわからない人のために、簡単に説明しよう。
なぜ議員は「路上」でしてしまうのか
3月5日発売号の「週刊新潮」に、中川郁子(ゆうこ)議員が同僚議員と六本木の路上でキスをしている写真が載った。お相手も同じ「二回生」議員。ではなぜ中川議員が主人公かというと、中川議員は財務大臣や経済産業大臣、農水大臣などを歴任した、というよりローマで開かれたG7で酒に酔って呂律が回らないまま会見に臨み大臣辞任した「酩酊大臣」こと、故・中川昭一氏の妻だから。
その昭一氏の後を継いで、北海道11区から2012年に初当選以来、現在二期目の衆議院議員だ。しかも、現在農水大臣政務官と同期の中では早い出世。この政務官という職が、ターゲットになり易かったこともあるが、それは後ほど触れる。
ついでといっては申し訳ないが、脇役は門博文氏。同期当選の同じ衆議院議員二期目、同じ二階派で派閥も一緒だ。
私と同じテレビ番組に出ているタレントさん、いわば「政治に疎い代表」から、番組の場外で質問を受ける。「路上ですることないでしょ」と、やはり多くの国民が知りたいことは同じようだ。
想像すると、この二人の場合、中川議員は東京都内に自宅があり、門議員は赤坂にある議員宿舎住まい。だから、単純に外で会うしかない。週刊誌に書かれている日も、路チュー後に中川さんは一人で地下鉄の方向に行ったと書かれているが、これ以上の行為に及ばなかったのは忙しかったのか。
もし仮に時間があっても、門氏の住まいである議員宿舎には、大臣など大物議員やキーマンの取材のため宿舎には夜討ちの記者が詰めているため、宿舎住まいではない中川議員が行けば、記者の餌食になってしまう。
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