連日の株高で「景気はよくなっているのだ」、という大本営発表を繰り返す大手メディア。一方で、みなさんの実感はいかがでしょうか。少なくともワタクシの接する限り、消費増税の影響による売り上げ減少をどうやってしのぐのか、四苦八苦している中小企業のみなさまの苦労を垣間見るわけです。
「暗黒の民主党時代」よりもひどい経済指標
実際、株高の一方でマクロ経済の数字は酷いと言っていい。もう、あの「暗黒の民主党政権時代」よりも、酷い数字が並んでいるわけです。
1月の家計調査における実質消費支出。サンプル数が少ないと批判する向きはあるのですが、さすがに10カ月連続減少となればそうも言っていられますまい。2人以上世帯の消費支出は28万9847円となり、前年同月比マイナス5.4%。2014年12月がマイナス3.4%ですからマイナス幅は拡大中です。
何よりも、この数字、東日本大震災があった2011年3月の29万1900円を下回っているという点が重要です。当時を思い出していただければおわかりのとおり、東北はもちろん、東京ですら買いたくてもスーパーから物が消えてしまい買えなかった、「その月」よりも消費支出は低いのです。これで「景気回復している」、と言うのですからあきれてものが言えません。
それに加えて、この家計調査に対する総務省のコメントは
「消費増税の影響は緩和されつつあり、消費支出の基調判断は『このところ持ち直している』」
ときました。まあ、大本営発表と言えばそれまでですが、それを垂れ流すメディアもメディアでありまして、景気の足元、特にGDPの約60%を占める個人消費は、もはや青息吐息、というのが現実です。
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