ヤフー石巻オフィスの”知られざる”利用法 新しいアイデアも、えらい人も、ライバル企業も!

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ヤフー石巻復興ベースは、ライバル企業の有名人まで集う憩いの場に(写真左が及川卓也氏)

ここヤフー石巻復興ベースには、Hack For Japanの及川卓也さんのサインがある。及川さんは、ある分野ではヤフーの最大のライバルとも言える(?)IT大手企業の有名な人だ。

及川さんは、ヤフーのITイベント「第1回 石巻ハッカソン」で審査員を務めてくれた。その際、同業他社の人でありながら、ヤフーの“ワイルド”Tシャツを着てくれ、サインまでしてくれた。サービス精神も旺盛な人だ。

近頃、IT業界では「ハッカソン」(Hackathon)という開発イベントがはやっている。「ハック」と「マラソン」を組み合わせた造語で、プログラマーたちが技術とアイデアを競い合う催しだ。

ヤフーでもCMOの村上臣が中心となり、本社での定期的なハッカソンのほか、この支社を活用したハッカソンを昨年7月、11月、今年3月と3回開催している。

「石巻ハッカソン」は、被災地が抱える課題を解決するためのアイデアを創造し、新たなサービスを作ろうという取り組みだ。毎回、現地のエンジニアとヤフーのエンジニアが40人以上集まり、2泊3日の合宿生活で、さまざまなアイデアを出し合いながらサービスのプロトタイプを創造している。

その際、“語り部”的なバスツアーを、僕がナビゲート役となって必ず開催するようにしている。被災地の状況を説明しながら、さまざまな課題を抱えている人に実際に会って話を聞くというもので、その後、自分たちが何をできるかを合宿でがっつり話し合う。

一般的なハッカソンと言えば、市場調査や統計などを基にして、机上で作られるケースが多いと思う。一方、ヤフーの場合は実際に困っている人の話を見聞きして、そこからアイデアを練っていくので、より現実的なプロダクトやサービスが誕生しやすい。

ヤフー発のアプリ「オイスターファーム」も、石巻ハッカソンで生まれた

たとえば、ヤフー発、スマホで遊べる無料キャンペーンアプリ「オイスターファーム」(カキを取るゲーム)も「石巻ハッカソン」で開発されたものだ。カキを集めると点数がたまっていき、本物のカキが抽選でもらえたり、クリックするとカキ情報が出るといった工夫が凝らしてある。

今年の3月には、山形大学と連携したHackUを開催。これは大学生とヤフー社員が一緒になって課題解決のプロダクトを1年間かけて開発するというもので、学生の若い発想、ヤフーが持っていない研究分野であったり、発熱・発光・発電にかかわるハードウエアとIT・インターネットの融合などを目指した、これまた面白い取り組みだ。

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