テレビや雑誌などメディアの人から「出張がてら顔を出したい」と連絡が入ることもよくある。そんな風に気にかけてもらえるのはありがたいことだ。
訪ねてきた人たちは、ここでヤフーが何をしているのか、なぜ来たのかと質問することが多い。僕が石巻で展開しているビジネスやメディアに取り上げられた話などをすると、興味深げにうなずいてくれる。
あるときは、都内の女子高が修学旅行の途中に訪ねてきたこともあった。
以前、ヤフーと一緒に事業をした縁のある高校だったが、僕らの話に彼女らも熱心に聞き入ってくれた。
これまでさまざまな有名人も遊びに来てくれた。IT業界の有名人、paperboy&co.の創業者・家入一真さん、ここでイベントを開催したタレントの東ちづるさん、オレスカバンドの女の子たち、女子バスケの神事真規子さん、地元で知らない人はいない超有名DJ・本間ちゃん。そして、視察として国会議員の人たち、ほかの被災地の商
工会のみなさんなどなど
こうした訪問者への応対は、時と場合によっては正直、結構しんどい。でも、自分も初めて被災地に行ったとき、一体どこに行けばいいのか、誰に何を聞いたらいいのかまったくわからなかった。被災地に詳しい人に案内してもらって、初めて「何が起こっていて、何が必要なのか」を知ることができ、今の自分たちの活動が生まれた。
だから「ヤフー復興ベース」が、誰でも気軽に立ち寄って、質問ができるスポットとなっているのは、すごく意義があることのはずだ。
ここで何かヒントを得てもらい、あとは自由に被災地を巡ってみたり、何か考えたりしてもらえたら、それがいちばん。新たな展開をちょっとでも後押しする役目が担えたらすごくうれしい。
石巻は震災による被害が甚大だった。一方、仙台からアクセスがよいので、震災直後から大勢のボランティアが訪れた町でもある。
「復興に向けて頑張っている被災地」
「いつもの職場とは違う地方のある町」
「漁業など一次産業の現場」
というように、石巻のとらえ方はさまざまだ。1次産業、震災からの復興という面を見れば、ここは始まりの現場であり、マイナス、ゼロからのスタート地点とも言える。
僕らがどのような役割を果たせるかで、その後の展開が変わっていくとしたら。以前も書いたが、大げさに言えばここからセカイを変えるきっかけが生まれちゃったりしたら、これほどすてきなことはない。みなさんもぜひ、一度は来てみてくださいな。
(構成:渡部由美子)
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