人生で初めて経験した長い東北の冬が、ようやく終わろうとしている。
もっと寒い場所があることはもちろん知っているけど、あえて言わせていただくと、35年以上関東でしか暮らしたことのなかった僕にとって、やっぱり東北の冬は寒かった。当然のように川も窓も道も凍るし、「東京では例年より早い開花」なんてニュースが流れる時期でも、上下ヒートテックに、ダウンジャケット。ゴールデンウイークも、家で吐く息は白いわ、雹は降るわ……。
そんな東北の石巻で、2013年3月11日、僕は36回目の誕生日を迎え、14時46分には町中に鳴り響くサイレンを聞きながら、黙祷を捧げた。
ヤフー石巻復興ベースの窓から見える場所に、どこからともなく小さい子を抱えた若いお母さん、そしてそのご両親と思われる夫婦、数名の男女が集まってきて道に花束を置き、黙祷をしてから少し談笑してまた散り散りに帰って行った。
普段、昼間は仕事や打ち合わせに追われる石巻の若い漁師も、「今日の14時46分だけは、亡くなった親友の実家か墓の前に行くと決めているんです」と言っていた。
それぞれの3月11日がある。多くの人にとって、とてもとても大切な日だ。そんな日にヤフーとして何ができるのか、何をすべきなのか、石巻にいる僕らだけでなく、役員含め、ヤフーの多くの社員が思いを共有してアイデアを絞った。
誰も見たことのないトップページが出現
3月11日、「Yahoo! JAPAN」のトップページが普段とは様変わりしていたことに、どれだけの方が気づかれただろうか。
雲が浮かぶ青空、緑の草原、山……。普段は白地ベースでおなじみのYahoo! JAPANのページだが、この日、Yahoo! JAPANの歴史上おそらく初めて、大自然が背景の、特別仕様に変わった。
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