ヤフーにいったい何ができるのか、常々、自問自答している僕。しかも石巻に来る前は、Yahoo!ショッピングやYahoo!オークションでセールとかポイント何倍といった企画を打ちまくる係だったので、そういう鈴木さんの言葉はものすごく感慨深かった。
テレビが取り上げないことを発信する意義
今回の企画は、通常の案件と並行しながら進めていたので、誰もが過酷なスケジュールで走っていた。東京のメンバーは土日出勤を続けながら準備していたし、石巻のメンバーも深夜までずっと働きづめだった。
今だからこそ言えるが、この企画は震災復興という大きなテーマを扱うため、「これでいいのだろうか」といった不安を、誰もが抱えながら進めていた。会議ではいくつもユニークなアイデアが提案されて盛り上がる一方、「でも……」と、誰かから消極的な声が出ることもあった。
僕自身も、当日のライブ中継などに不安を抱いていた。3.11は、大勢の方々のご家族や友人の命日にあたる。IT企業がワケのわからないことをやっていると思われないか、生中継のちょっとした発言が物議を醸さないか、という怖さがあった。
そんなとき、東京からはこんな意見が。
「気持ちはわかるが、テレビで取り上げないことを紹介するのがヤフーの仕事でもある。メディアであるYahoo! JAPANがやらなければ、震災がどんどん風化していくんじゃないか」
先ほど紹介した箭内さんの話の中にもあったように、どんな「調整」をすべきなのか、どう「つなぐ」べきなのか、すごく悩んだし、いまだにあれで良かったのか悪かったのか、わからない。
ヤフーで復興支援をしているのは、石巻の5人だけじゃない。個人でなく、会社として続けることがすごく重要だと常々思う。
そのことを社内のみんなで再認識し、悩みに悩んだ結果、実行したことが、少なからず社外の人から賛同を得ることができたと知ったときは若干ほっとした。
それを伝えてくれたのは、あの”シャカパン”、われらが社長、宮坂だった。宮坂は、この311企画に関するツイッターの声をわざわざ集めて、メールでシェアしてくれたり、外部の人からいただいた感動的なメールを転送してくれたりした。この場を借りて、「あざす!」と伝えたい。
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