文房具メーカーは、知られざる優良企業だ 就活では自分に身近な企業こそ狙い目

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今後は主力の住宅用途で、リフォーム需要が高まると見込まれており、外壁・内装用途の接着剤が収益を牽引する。老朽化した道路設備や建物の補修も収益にプラスとなる。

筆者が人員の状況について質問した際、横田社長は「社員の定着率が高く退職者が少ない」とコメントしている。社員にとって居心地のよい社風が窺われるが、それゆえ、団塊世代の社員構成が大きかった。ただ近年は、団塊世代社員の定年退職が進んだことから、社員数はバブル時代の1000人超から730人程度まで減少した。

このような現状も踏まえ、横田社長は2016年11月の決算説明会で、今後の事業展開を支える人材採用・育成は、経営課題のひとつである旨のコメントをしている。

人材採用・強化にあたっては、中途採用での補充よりも新卒採用社員を主体に、長期的な視野に立ち中期的なスパンで次世代を担う人材の育成を図る方針だ。これから新卒で就職する就活生にとっては、注目したい企業の採用姿勢といえるだろう。

長い「歴史」を持った企業に注目せよ

今回紹介した、身近なトップの文房具メーカーは歴史ある企業だ。創設年では、三菱鉛筆が1887年、セロテープのニチバンが1918年、ボンドのコニシが1870年。長い年月の間には経済危機だけでなく、自然災害や戦争などもあったが、こうした苦難を乗り越えてきた。

一見、ロングセラーとなっている、身近なNo.1商品にばかり目がいってしまうかもしれないが、歴史を創ってきた経営自体が評価される優良企業だ。就活生は、身近にある商品から、優れた企業を探してみてはどうだろうか。

小島 一郎 企業アナリスト

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こじま いちろう

上智大学卒業後に入社した山一証券経済研究所の企業調査部時代から約20年にわたって、多くの企業を調査、分析してきた企業アナリスト。現在、リサーチを基盤としたPR会社である分析広報研究所のチーフアナリストとして、上場企業を中心に年間700社超の企業リサーチの陣頭指揮をとっている。

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