セロハンテープのトップメーカーは、東証1部上場のニチバンだ。1918年に設立されたニチバンは、絆創膏、軟膏、膏肓(皮膚の塗り薬)の製造から始まったメーカーだ。
1934年には鎮痛貼り薬を開発。1948年には、貼り付ける技術を生かしてセロテープを市販し、現在でもロングセラーとなっている。現在、セロハンテープの市場規模は80億円程度とみられるが、ニチバンはその6割以上のシェアを誇り、圧倒的なNo.1の地位を有している。
あのFCバルセロナとスポンサー契約も
また、歴史に裏付けされた塗り薬の製造力とテープのノウハウを生かした絆創膏「ケアリーヴ」は、高機能製品として高価格帯でも市場に受け入れられている。
絆創膏市場全体ではシェア30%(業界2位。1位はジョンソン・エンド・ジョンソンのバンドエイド)を有している。テープ事業とメディカル事業を軸に、2016年3月期は連結売上高424億円、営業利益33億円を計上した。
ニチバンは塗り薬の製造力と貼りつける技術を組み合わせた事業を今後も押し進める。中期事業計画では、創業100周年の節目である2018年3月期に売上高500億円、営業利益42億円の達成を目指しており、アジアや中東、ヨーロッパなどの海外市場での展開を強化する。
海外で知名度を高めるために、2015年にサッカーのスペインリーグ名門「FCバルセロナ」とパートナーシップ(スポンサー)契約を締結した。
人材育成にも積極的だ。2011年には人事部から、名称に「財」を使用した「人財開発部」を独立させた。経営として、社員を大事にする会社でありたいという意思を社内外に示したうえで、社員の節目に応じた階層別研修、自己啓発の促進を図った通信教育の費用援助、資格取得奨励金制度、Eラーニングシステムなどを通して、積極的に人材育成に取り組んでいる。
さらに新入社員の育成にも熱心である。入社直後の研修から、配属後の先輩社員がトレーナーとしてつくOJT(On the Job Training=現場での育成)、入社半年後・2年目研修など、手厚い育成体制を構築している。
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