現地社員に日本の価値観を理解させるには? グローバル人事の「目」(第10回)

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説得ではなく体験で納得させる

次にサービスを受ける立場からサービスを提供する側に回り、丁寧な対応をするとサービスの受け手側から感謝されることを知った。また、同じ行動をするなら丁寧な対応をしたほうが自分も気持ちいいし、やりがいもあるということに気づいてもらったのである。

その結果、現地社員の行動がガラリと変わり、イキイキしながらおもてなしサービスを提供できるようになったのだ。

現地社員の概念にない価値観を言葉で伝えても納得しない。そこで、次の2点が重要になる。

(1)実際に日本式と現地式のサービスを受けてもらって、日本式の心地よさを意識してもらうこと。

(2)現地の顧客に対してどのようなサービスを提供すると自分もうれしいかということを自分で考えること。

こうしたポイントを押さえることで、「おカネを得るための手段」でしかなかった「仕事」に「働く意味とやりがい」が加わるのである。

比較体験という手法は、サービス業だけでなく価値観が違う人とのコミュニケーション全般に活用できる。国内でも価値観が違う人々とのやりとりに有効である。価値観の違いに悩んだら無理やり「説得」するのではなく、体感させて気づかせるこの手法を実践していただきたい。

(撮影:杉本りう子)
 

松本 利明

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松本利明(まつもと・としあき)
人事ジャーナリスト、コンサルタント、HRストラテジー代表、MSC(マネジメントサービスセンター)エクゼクティブアドバイザー、プライスウォーターハウスクーパース、マーサー・ジャパン、アクセンチュアのプリンシパルを経て現職。外資系・日系の大手から中堅企業までの組織・人材マネジメント改革に従事。クライアント数は18年間の累計で300社を超える。著書に 『M&Aを成功させる組織・人事マネジメント』(日本経済新聞社)。寄稿、講演多数

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