(第8回)就職活動の入り口は自己分析ではなく、業界研究を優先する

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(第8回)就職活動の入り口は自己分析ではなく、業界研究を優先する

八木政司

●知名度に左右されないフラットな目線を持つことが自分に合う業界や企業を見つけることにつながる

 オフィス街で着なれないスーツ姿の若者がめっきり減ってきた。皆さんの先輩たちもそろそろスーツを脱ぎ始めたのではないだろうか。採用プロドットコムが東洋経済新報社と共同で4/25~5/14にかけて全国の主要上場企業に行った調査で得た709社の回答を集計・分析した結果(図1)、2009年度採用では「企業の内定出し」は事務系・技術系ともに4月前半が3月後半の倍であることがわかった。参考までに数字をあげておくと、事務系【3月後半:44社→4月前半:89社】、技術系【3月後半:54社→112社】という具合に急カーブを描く。

図1:内定出しの時期 (グラフクリックで拡大)
 同時期に事務系と技術系に差がついているのは、メーカーが技術系の選考を固めてから、事務系の選考に移行するタイムラグが若干影響していることによるものだ。
 そして、4月後半にピークを迎え、5月前半に向けて収束していくのが一般的なスケジュールだと理解してもらいたい。

 さて、企業の内定出しの時期から逆算すると、2010年度入社組の新卒採用は、現在「内定まで1年前」の地点にあるといえる。大学などでも「就職活動支援企画」がそろそろ開催され、就職コンサルタントが講演で「自己分析」の必要性を滔滔(とうとう)と説くことだと思う。
しかし、自己分析について「採用目線」での就職活動を皆さんに提案している私たちの考え方を最初に申し上げておくと、「自己分析は(就職活動という名のマラソンを)走りながらやりましょう」というのが結論だ。
 その理由は、「メーカー」といえば、CMをしている食品メーカーや電気メーカーくらいしか思い浮かばない今の皆さんの業界知識をパワーアップせずに、自己分析に突入してみても、自己分析はどうしても自己中心的で独りよがりなものになってしまう可能性が高いからだ。
就職活動中のどこかで軌道修正ができればいいが、それができずにそのまま突っ走ってしまった場合は泥沼にはまりかねない。

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