(第1回)開講にあたって

(第1回)開講にあたって

「やさしくない就職塾」塾長 寺澤康介

 「やさしくない就職塾」へ、ようこそ。

 「変な名前だな」と皆さん思われたことだろう。
 しかし、奇をてらってつけた名前ではなく、この就職塾の狙いそのものを現している。

 私たちはこれまで数多くの企業の採用をコンサルティングしてきた採用のプロであり、いわゆる就職指導のプロではない。

 私たちから見ると、就職コンサルタントと呼ばれる人の多くは学生の視点に寄りすぎていて、採用担当者の考え方を良く知らないまま指導しているものが少なくない。それでつい、学生をいじりたがる。たとえば、自己分析。多くの就職ノウハウ書ではまずここからスタートさせようとするが、こんなものに最初から時間をかけるのは時間の無駄である。自己分析がよくできていると評価された学生など見たことがない。

 就職活動は、これまでの受験勉強とは全く違い、学科試験のような明確な基準で決まるのではなく、面接というあいまいなものさしでほとんど決まる。その評価をするのは企業の人間だ。「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」と孫子の兵法にあるように、まずは相手のことを知らなければならない。

 就職というのは、学生から社会人への通過儀礼のようなものである。それは、学生の土俵で行われるものではなく、社会人の側の土俵で行われる。採用担当者は毎年採用を繰り返しているのに対して、初めて対峙する学生は、相手を知らないがゆえの不安を感じるのだ。

 相手のことが理解できると気分はずっと楽になり、落ち着いて就職活動が進められる。つまらないことに一喜一憂しないで、着実に自分らしい就職活動を進められるようになる。それまで補助無し自転車に乗れなかったのが乗れるようになったように、すいすいと進むようになるものだ。そのタイミングが、就職活動の山が越える前に来ないと厳しいことになる。

 私は採用のプロとして、これまで数多くの企業の採用をコンサルティングしてきた。今は採用プロ.comという採用担当者専用のサイトを運営しており、企業の採用に対するものの考え方、行動について熟知している。だからこそ、根拠を持って学生の皆さんに企業側の採用に対する考え方を教えることができる。

 塾の名前に"やさしくない"という言葉を冠したのは、通常の就職コンサルタントのように学生視点ではなく、企業側の視点を理解することにウェイトをおくという意味である。また、超売り手市場といわれる就職環境の中で、学生の皆さんに甘えてほしくないという気持ちも込めている。

 大事なことを言っておこう。
 就職活動の準備を早くからすることは重要だが、入れ込みすぎてはいけない。中には就職活動オタクのような人もいるが、大学生活はそのときにしかできないことをしっかりやるべきである。つまり、効率よく就職活動の準備をしなさいということだ。

 余計なところに力を入れすぎていて(たとえば自己分析)、肝心なことを全然やれていない学生が多すぎる。早い時期からしっかり準備していれば、慌てることなく、何事にも冷静に対処できる。
今後その準備を、ステップを踏んで学んでいってもらうが、当就職塾は詰め込み式ではないので、教えられたことをそのまま受け入れるのではなく、自分でしっかりと咀嚼(そしゃく)し、自身の血肉にしていってほしい。それが社会人になるステップなのである。

 皆さんの今後の就職活動が実り多いものとなることを、私たち一堂期待している。

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