(第2回)はじめに、学生側からの「就職目線」と採用担当者側からの「採用目線」の違いを理解しよう

(第2回)はじめに、学生側からの「就職目線」と採用担当者側からの「採用目線」の違いを理解しよう

八木政司

 過去最高の求人数を記録した前年度を上回る勢いで2009年度の新卒採用活動が本格的に動いている。すでに報道等でご存知の方も多いと思われるが、採用環境は学生側に優位な売り手市場である。
 しかし、現在就職活動中の学生たちを見渡したとき、この優位な状況を意外に追い風にできていない人が多くはないだろうか。「応募が殺到する人気企業や大手企業ばかりを受けているからだ」ということもあるが、理由はそれだけではない(2008年度の新卒求人倍率は、従業員1000人以上の企業は0.77倍に対し、1000人未満の企業は4.22倍。学生の大企業志向を裏付ける数字である)。そこで、目線を採用する企業側に置いて就職活動をする学生を見ると、そこには本質的な理由が浮かび上がってくるのだ。

グラフ1:景気減速が採用活動に影響するか(企業アンケート)

グラフ2:景気減速が採用活動に影響するか(学生アンケート)

グラフ3:昨年よりも採用基準をあげたか(企業アンケート)

グラフ4:優秀な学生は減った(企業アンケート)

 採用プロドットコムが東洋経済新報社とみんなの就職活動日記と合同で調査したアンケートによると、採用に対する景気減速感の影響は、企業側には現時点ではほとんどないといえる(グラフ1)。しかし、一方の学生は、ほぼ4割近くが何らかの影響を感じていることがわかる(グラフ2)。
 一方、グラフ3を見ると、2割の企業が採用基準を上げているが、ほぼ8割の企業は昨年並みか、むしろそれ以下だと答えている。おそらく採用基準を引き上げた2割の企業は応募が殺到する人気企業であろう。売り手市場下の人気企業は「ひょっとしたら合格するかも」という学生側の甘い心理傾向を読みきり、採用基準を引き上げることが多いのがその理由だ。では採用基準が昨年並みかそれ以下である企業が8割も存在するなか、なぜ、学生が足元の景気と就職活動を関連付けて不安を抱いているのだろうか。

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