「違い」ばかり探せば社会の亀裂は拡大する

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「失われた20年」とよく言いますが、いったい何がいけなかったのでしょうか?
わたくし、TKO木本武宏が、複雑な現代の世の中についてその道のエキスパートに教えを乞う対談。第7タームの講師は井手英策さん。慶應大学で教鞭をとられている私と同世代の気鋭の論客です。最新刊『18歳からの格差論』をベースにお話を伺っていますが、3回目は、いわゆる「失われた20年」について伺いました。

第1回第2回

「失われた20年」は誰のせいでもない?

この連載の過去記事はこちら

木本:さて、今回はバブル崩壊後のいわゆる「失われた20年」について伺っていきます。この言葉ってよく聞きますが、もう20年以上経っていますので、知らない若い人も増えていますよね。そもそも、いったい何がまずくて20年も停滞してしまったんでしょう。

井手:何がまずかったのかとおっしゃいましたが、結論から言えば、経済問題について言えば、僕は「仕方なかった」と思います。誰かが悪いわけではない。

木本:特定の人のせいではなくて、時代の流れでそうなってしまったと。

例えば何のために国の借金が増えたかわかっていない人が多いと思うんですね。わけのわからないまま、借金返済のために消費税の引き上げが議論された、という発想しかなくなりますよね。

井手:重要なポイントです。なぜこんなに借金が増えてしまったんだろう。みんな漠然とまずいと思っている。破綻するんじゃないかとか。だから取られると仕方なく払うんですが、モヤモヤしている。借金がなぜここまで増えたかはどこかで考えなければいけませんよね。大きかったのは、給料が下がるしかない圧力が1990年代にずっと働いていたことですね。

木本:それはどうしてでしょう。

井手:たくさんありますし難しい問題ですが、できるだけかみ砕いて説明します。銀行がバブルの時に、不動産を担保におカネを貸していたのはご存知でしょう。バブルがはじけて不動産価格が下落して、担保が足りない。銀行が企業にもっと担保を出せというものだから、企業は借金をリスクに思うようになり、多くの企業の間で借金を返す動きが強くなった。

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