政策を工夫すれば「分断社会」の解消は可能だ

今必要なのは、「みんなが幸せになれる政策」

調子が悪くなると仲が悪くなって、お互いに責任をなすりつけあうお笑い芸人コンビの構造にそっくり!?
わたくし、TKO木本武宏が、複雑な現代の世の中についてその道のエキスパートに教えを乞う対談。第7タームのゲストは井手英策さん。慶應大学で教鞭をとられている私と同世代の気鋭の論客です。最新刊『18歳からの格差論』を僕も読みましたが、目からウロコの提言がいっぱいでした。一回目は、「日本はどうして分断社会になってしまったのか」について伺いました。

 

木本:『18歳からの格差論』を読ませていただきました。最初に聞きたいのは、日本はなぜ分断社会になってしまったのか? 日本は世界でも、とりわけ分断社会なんですか。

井手:日本は、ある意味でもともと分断社会でした。それほど水が豊富ではない土地でお米を作ってきたので、水を誰が使うかで集落と集落が血みどろの対立をしてきた歴史があります。すると、他の集落のために自分が税金を払って何かをやろうという発想にはならない。集落と集落の分断が存在したのです。だからみんなのために税金を払うという発想が日本人はもともと弱かった。

日本に埋め込まれた「分断社会」という歴史

この連載の過去記事はこちら

木本:ヨーロッパには昔からみんなのために税金を払うという発想があったんですか。

井手:税金を負担し合うというより、キリスト教の影響です。困っている人を救済する思想や教会に貢献する文化が基礎としてあります。

木本:キリスト教の「弱者救済」はなんとなく知ってます。

井手:日本は「村請制度」でした。時代劇でよく年貢をお代官様に納めるシーンを見ますが、じっさいは村単位で収めていた。そうすると誰かが病気になったりさぼったりすると、年貢が払えずにみんなが困る。だから困っている人がいればみんなで助けるしかなかったし、調和を乱す人は徹底的に袋だたきにする文化が昔からあるわけです。

戦後の高度経済成長期やその後の借金ができた時代は、景気が上向いてどんどんおカネが増えていって、Aの集落にはこれを作ってあげた、それではBの集落もこれを、とみんなに利益を配ることができた幸せな時代でした。

木本:公共事業しかり、いろんな施設を作ることもしかり。そうなると対立はおこりにくいですよね。

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