木本:世界的大ヒット「ポケモンGO」について伺います。今、この時代に「ポケモン」という言葉に老若男女が夢中になるとは想像もできませんでした。瀧本先生は2011年に書かれたご著書(僕は君たちに武器を配りたい)で、任天堂は復活すると書かれていますが、なぜそう思われたんでしょうか?
原点はつねに「ファミリー」
瀧本:そういう体質の会社だからです。過去に何回もピンチがありました。彼らは最先端は得意じゃないけれど、枯れた技術、みんなが使うようになった技術を面白く使うのは得意です。
たとえば加速度センサーというのは昔からありましたが、「Wii」で初めて使いました。先行する動き系のゲーム、「ダンスダンスレボリューション」などが流行っていて、「いまさら、任天堂って遅いね」とバカにされていても、「誰もが使えるようになったから」と出すのです。
木本:最新技術で「どうだ!」ではなく、みんなが使えるのを待って出すと。
ARの時代が来るといわれてから数年経ちますが、「拡張現実というのはこういうことだったのか」と、「ポケモンGO」を始めてみて理解したという人も多かったと思います。
瀧本:大きな会社だからできることでもあるんですが、ARという言葉を聞いたことがない人も使えるものを出す。そこが任天堂なんです。
「ポケモンGO」は2013年にリリースされた「イングレス」というゲームがベースです。これまではマニアしかやらないアプリで、「こういうのもあるよねえ」と上から目線でみんながバカにしていたゲーム。昔からあったポケモンと、新しいイングレスが組み合わさって、本当に新しいモノができたわけです。
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