木本:「イングレス」と別の何かの合体とか。たとえば、「あのジャケットカッコいいなあ」と思う人を街中で見た時に、かざすだけでブランドがわかるとかいいんじゃないですか。
瀧本:洋服とAR・VRはとても親和性が高くて、いままさに投資しようか検討している企業があります。
大事なのは自分が詳しいことをやること。アパレルが好きな人がやったほうがいい。その意味では、「お笑い」と「イングレス」を結びつけると新しいお笑い体験ができると考えるのは、たぶん5人くらいだから、敵が減る。「オレがやったら世界一になれる」という分野でやるのがいい。
木本:その発想が大事すね。でも、それって自分一人ではできませんよね。
瀧本:でも、無茶なことをやろうとするほど、仲間が集まってくるんです。
木本:まさしく冒険のパーティを作るわけですね。
瀧本:そうです。だいたい勇者というのは王様に「キミ、世界を救ってよ」と急にふられて「ええ⁈ なんで僕が」が始まり。『ハリー・ポッター』も一緒です。虐待を受けている小学生が、ある日突然「君は魔法使いで、魔王の敵ということになっていて、彼が復活しそうなんでよろしく」、というのがスタート。『指輪物語』の主人公フロドも、叔父さんから指輪を譲られて、「これを持っていると魔王が襲ってくるから、壊しに行け」といわれ、「ええ、そんなのムリです」と答えたら、仲間が集まってきて、何とかみんなで協力しながら旅に出る。
「面白い」と思ったことは口に出そう
木本:確かに。アイデアを実現させる場合も一緒だと。
瀧本:「とてもムリ」だからいい。自分だけじゃムリだからみんなが集まってきて勝てる。
木本:なるほど。思いついたことは恥ずかしがらずに口に出したほうがいい。
瀧本:バカにするヤツもいますが、「いいじゃんやろう」という人もいる。バカにされている部分は直せばいい。口に出していれば、ちゃんと見ている人がいる。この対談を読んで、イングレスで商売している人が木本さんに注目して、連絡してくるかもしれない。
音楽も一緒で、メガヒットはすべてのプロデューサーが断った状況で、一人だけ「面白いからやってみれば」という時に生まれます。
木本:ビートルズがまさにそうですよね。
瀧本:そうです、当たってから「おれも当たると思ったんだよ」という人がいますが、結果には何でも言える。
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