政策を工夫すれば「分断社会」の解消は可能だ

今必要なのは、「みんなが幸せになれる政策」

木本:貯金の観点から少子化が説明できるんですね。

井手:子どもをあきらめるほど貧しくなり始めているから税金をたくさん取られるのはイヤだし、自分の分を削られる前に、人から削れという流れになってしまっている。それが分断社会のもうひとつの問題です。

木本:大変だから、他人に責任を押し付けようという気持ちになって、どんどん負の連鎖を作っている。どこかで考え方を変えなければいけませんよね。

井手:まったくそうです。考え方を変えないとダメなんです。

木本:僕も先生の本を読んで「なるほど」と100%感心し、考え方を変えねば、と思いました。ただ、日本人全体を、「考え方を変えないといけない」と気づかせるのはかなり大変ですよね。

目に見える利益をあらゆる世代に分け与える方法

井手:大変ですがきっかけはあると思います。消費税が5%から8%に上がった時に、木本さんその3%でなんかいいことありました? 暮らしが変わった実感はありますか。

木本:まったくないですね。上がった消費税は国民のためだと理解していますが、結局何のためだったのというのはわかっていません。

井手:本来は5%上げるはずだった。そのうち1%は私たちの暮らしのために使う。つまり社会保障のために使うと説明していた。残りの4%は借金の返済に回す。しかも1%の大部分は貧しい人のための救済措置ですから、僕たちにはほとんど回ってこないんです。

受益、つまり目に見える利益がないから、わかるわけがない。だったらもう少し受益感のある税の使い方をすれば変わっていくかも、というのが僕の主張です。もし、3%の消費税を使えれば、幼稚園・保育園をタダにできる。

木本:待機児童の解決の糸口になりそうですね。

井手:そして、私立大学の高い学費も国立大学並みに下げられる。子どもを安い学費で大学に通わせられるようになる。お年寄りの介護医療費も1~2割の自己負担をなくせる。田舎の公立病院は赤字だらけですが、それも解消できる。

つまり、幼稚園、大学、お年寄りの介護、地方医療、すべてタダになる。あるいはいまよりずっと安くなる。お子さんがいない場合でも、歳を取った時の介護や病気の心配事がありますよね。そのおカネの心配をしなくてすむのに、100円の缶コーヒーが103円になる。これならありじゃないでしょうか。

木本:それならまったく負担と思わないでしょうね。

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