政策を工夫すれば「分断社会」の解消は可能だ

今必要なのは、「みんなが幸せになれる政策」

井手:でも単に100円を103円にされたら「ぼったくり」ですから、頭にきますよね。

質問ですが、不正受給をしている人が生活保護全体の金額の中で何割くらいいると思いますか。めっちゃ低い数字で予想してください。

木本:え、めっちゃ低い数字ですか?

井手:そうです。めっちゃ低くしてください。

木本:ズルいことしている人は1割いないと思いますが1%くらいでしょうか。

井手:0.4%です。この質問に正解した人はいません。ほとんどの人は1%どころか、もっと多いと感じているんじゃないかな。これが日本人の貧しい人たちに対する感覚なんです。ここにもうひとつ深刻な「人間を信じていない」という問題があるわけです。貧しい人たちはうそをつくと思っている。

木本さんは1%と予想しました。これは、かなり低い回答だと思いますが、実際には0.4%です。その差0.6%が「人間を疑う心」です。データを見ると、先進国の中でも日本人は人間を信頼していない国民なのです。誰かがうそついている、誰かがズルしていると思っている。さらに、政府を信じる気持ちは、日本人は最低レベルです。

日本人は世界でいちばん政府を信頼していない

木本:世界でいちばん政府を信頼していない国のひとつだと。そんなに寂しい国民なんですかわれわれは。

井手:人間も政府も信じていない。税金取る前に無駄をなくせと政府に言います。政府が無駄遣いしていると、まず疑っているわけです。

貧しい人にサービスをといえば、自己責任だから自分でやらせろ、という。僕は自己責任という言葉が嫌いですが、信じていない国に税金を払うのはイヤだし、信じていない他人のためにおカネ払ってあげるのもイヤだという意識が強い。そうすると分断もされる、イヤな世の中になってきますよね。

木本:自分の心に余裕があって、仕事の調子がいい時には相方の得することを考えます。もうちょっと余裕があると親に仕送りしよう。さらに余裕があると兄弟にも仕送りしよう。その上になれば、友だちの会社にも融通しようと幅が広がっていく。自分が億万長者なら、結構な範囲で他人のことも親戚だと思えるんじゃないかと。でも、オレにはそんな余裕ないし、身の丈でやろうという発想で止まってしまうんです。

井手:自分が豊かなら誰もが家族のように思えるってのは素敵です。でも、逆転の発想でみんなが家族のような関係なら、自分がたとえ貧しくても家族のために何かやりたいと思うんじゃないでしょうか。

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