頭部が飛ぶような”大リストラ”を始めよ 社長にもワークライフバランスなんていらない

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グローバル化の進展により、国の枠を超えて活躍する「グローバルエリート」が生まれている。しかし、そのリアルな姿はなかなか伝わってこない。グローバルエリートたちは何を考え、何に悩み、どんな日々を送っているのか? 日本生まれの韓国人であり、国際金融マンとして、シンガポール、香港、欧州を舞台に活動する著者が、経済、ビジネス、キャリア、そして、身近な生活ネタを縦横無尽につづる。
手足を切るよりも、頭部を飛ばしたほうが、改革へのインパクトは大きいはずだ(写真は、マジックショーの一コマです、写真:Redferns)

※ 過去の大リストラシリーズはこちら:

(上):手足を切るような“大リストラ”が始まる

(中):若者にワークライフバランスなんていらない

(下):稼げないあなたに、会社はもう投資しない

さて、以前の手足を切るような大リストラシリーズが好評を博したので、今回はまさかの第4弾「頭部が飛ぶような大リストラ」についてコラムを書こうと思う。

労働者の解雇がよく取りざたされているが、今回はお待ちかね、経営陣の解雇に関してだ。実は私が見てきたグローバル金融の世界では、社長を含め解雇されるべき経営陣も結構多く、その理由を挙げると、このコラムは第5弾、第6弾……と永遠に続くことだろう。

よくあるのは、創業家が会社を食い潰すケースだ。仕事でいつお会いするかわからないので大きな声では言えないが、創業者が税金対策のために利益を圧縮すべく、奥さんのポルシェやら、自分のマイバッハ(日本市場の現状を象徴するかのように、もう販売停止されたが)を会社の経費に充てていたりする。また先代の苦労や社員・顧客・社会への信頼を裏切り、マカオのギャンブルで名門企業を破産の間際に追い込んだ困った社長も記憶に新しい。

このようなけしからん経営陣は、社員施設などといって温泉施設や豪華な別荘を会社のカネで買ったりするが、それを使える社員は社長である自分だけである。

もはや会社は上場していて株主は自分だけではないのに、平気で慶応幼稚舎から苦労せずに現在に至ったバカ息子を社長に、動物愛護団体の反対をよそに毛皮のコートを買いまくるわがまま奥さんをマーケティングマネジャーに登用する。そして先月生まれた初孫は会社が存続するかぎり、将来社長に君臨することが約束されている。経費の面でも人事の面でも一般の投資家と会社を食いものにし、会社の利益と相反することを行っている経営陣は多い。

ちなみにこういう放蕩オーナー経営者を交代し、経費にガバナンスを利かせるだけで赤字企業がいきなり数億円の実質黒字企業になったりする。よって見かけの利益や赤字だけで会社の実力を判断してはダメで、社長を含めた経営陣を取り換えたときにどれだけ儲かる会社かを見込むのが、投資家の腕の見せどころなのだ。

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