“改革者”ぶっている既得権益擁護者にだまされるな
そもそも長年、同じ組織で既得権益層と同じ釜の飯を食べてきた人が、根本的な組織の問題を解決できるわけがないことを肝に銘じよう。最近の典型的事例は、以前のコラムでも予測した、議員数削減という選挙の争点が予想どおり完全に無視されていることである。
既得権益層および彼らの代弁者は、問題を覆い隠すことに躍起になり、マスコミや恥知らずの“御用学者”を動員して皆さんをだましにかかる。そして悲しいことに大半の国民が自分自身が被害者であることに気づかず、既得権益の温存に無意識に加担してしまっている。この洞察がなければ、いくら本を読んで情報を集めたところで、表層的な意見に流され、本質を見抜くことはできない。そして真実に関心のない人たちにいつまでもだまされ続ける、憐れな子羊市民として一生を終えることになるだろう。
以前のコラムで「手足を切るような大リストラが始まる」と書いたが、改革への重しとなっている“頭”を吹き飛ばしたほうが改革へのインパクトは当然大きく、今の会社や政治の既得権益の頭がどこにあるのか、一人ひとりが考えなければならない。
今回のタイトルのように頭まで切り落とせば、胴体だけになってしまうじゃないか、という突っ込みの声が聞こえてきそうである。しかし経営陣が無能で、短期的利益を改善させるために必要な労働力まで切り落とし身動きできなくなっている会社は、まさに死を待つのみの胴体ではないか。これは政治家が自分自身の身分や給料にはメスを入れず、場当たり的に福祉を削って税金を上げている社会にも、同じことが言える。
あなたの会社の頭脳、手足はこのままで大丈夫ですか。あなたの社会は、既得権益という胴体を守るために、働き手である若い手足を切り落としていませんか。
今の会社の“頭”のクオリティを見極め、自分に市場価値がある間に他社に移る準備をすることも、あなた自身の人生に対する重要な経営判断である。船が沈むとき、真っ先に海に突き落とされるのはあなたであり、会社が潰れるときに真っ先に切られるのもあなたなのだから。
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