稼げないあなたに、会社はもう投資しない 城繁幸氏と考える「日本に依存しないキャリア」(下)

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グローバル化の進展により、国の枠を超えて活躍する「グローバルエリート」が生まれている。しかし、そのリアルな姿はなかなか伝わってこない。グローバルエリートたちは何を考え、何に悩み、どんな日々を送っているのか? 日本生まれの韓国人であり、国際金融マンとして、シンガポール、香港、欧州を舞台に活動する著者が、経済、ビジネス、キャリア、そして、身近な生活ネタを縦横無尽につづる。

 (司会・構成:佐々木紀彦)

――今回の「グローバルエリートは見た!」は、人事コンサルタントの城繁幸さんを特別ゲストにお迎えして、対談形式で進めていきます。

テーマは、不況が続く日本の中で、国内だけに依存しないキャリアをどう築くか、です。ムーギーさんには、シンガポールなど海外の視点から、城さんには国内の視点から、幸せなキャリアを築くために大事なことについて、語っていただきたいと思います。

※ 過去の対談はこちら:

 (上)手足を切るような"大リストラ"が始まる

 (中)若者にワークライフバランスなんていらない

日本人の欲求レベルが落ちている

ムーギー:今回が最終回になるわけですが、城さん、最近、キャリア関係の質問ではどんなタイプのものが多いですか?

:強いて言うと、「一生安心して働ける会社を教えてください」といった質問が多いですね。僕は「そんな会社ないと思う」と答えますけど。今の人は、とにかく、安定というか、会社が潰れないことを重視しているんだと思う。

ムーギー:私からすると、結局、一部の勝ち組学生、ないし勝とうとしている学生が強力に自己実現を目指す反面、その他大多数の日本の若者の欲求レベルが1段階落ちたという印象があるんですよね。欲求レベルの二極化が起こっているというか。

マズローの欲求5段階説ってありますけど(1:生理的欲求、2:安全欲求、3:社会的欲求、4:尊厳欲求、5:自己実現欲求)、これまでは、衣食住や金銭的な欲求が満たされていたので、周りから認められたいとか、自分の自己実現をしたいと考える人が多かったと思うんです。

でもここ最近は、もっと下のレベルに欲求が落ちてしまっている気がします。つまり会社に入っても、いつクビになるかわからないから、帰属の欲求も満たされないし、そもそも食っていけるのか怪しいと。たまにいる1から4をすっ飛ばして、裏付けがないのに自己実現だけいきなり目指している人も困ったものですが。

:でも、実は会社のシステムというのは、高次な欲求を持つ人が集まってくる前提で作られているんですよね。要するに、もっと組織の中で認められたい、つまりは出世したいという欲求です。あるいは、会社の仕事を通じて、もっと実現したいビジョンがあるような人を採って初めて終身雇用というのは機能するんです。「正社員でいられればそれでいい」という人をいくら採っても、全然価値は上がらない。だから、日本企業の採用は今すごく悩んでいる。どこの会社の人事担当者も「何で俺たちの会社にはいい人材が来ないんだ」と嘆いていますよ。

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