情報・通信の企業力強し
「陸・海・空運/倉庫・運輸」で、業種トップは廉価版航空のスカイマーク(全体順位54位)。新規参入もあり競争が激しいが、保有機材増でさらに顧客取り込みを図る。成長性は満点の1000点だった。エーアイテイー(76位)は日中間の海運利用の衣料輸入に強み。ヤマトホールディングス(203位)などは宅配便の荷動きが活発だったのが奏功した。西日本旅客鉄道(271位)は鉄道輸送以外にも流通などで稼ぐ。なお、郵船ロジスティクス(116位)、日立物流(185位)は、部門事業継承や子会社化による売上増で成長性が高まった。
「情報・通信業」では上位に全体順位トップ10入り企業が並ぶ。業種20位でも全体順位は100位内。今回の全体の掲載対象2002社中のシェアは219社(10.9%)とトップの優良業種だ。特徴的なのは、規模スコアが高い会社と極端に少ない会社が混在しているところ。NTTドコモ(5位)やNTT(日本電信電話、13位)、KDDI(17位)、ソフトバンク(25位)の規模得点は満点の1000点なのに対し、グリー(全体順位8位)、およびクルーズ(全体順位29位)からネオス(88位)までの各社は、いずれも500点台と小規模だ。同じ業種と言いながら、設備投資を行ってインフラ整備をする業態と、技術を駆使してゲームやソフト開発で生きて行く業態とに、鮮明に分かれている。
「卸売業」で上位に並ぶ総合商社は、いずれも12年3月期までの資源高の恩恵を享受、好業績を達成した。その中に混じるのが、小規模だが成長性が高い新興企業だ。グリムス(全体順位68位)は中小企業向けの電力料金削減、フィールズ(130位)は、遊戯機器の企画販売、ラクーン(176位)はマザーズ上場で衣料、雑貨のB2Bサイトを運営する。規模スコアで満点の大手商社は盤石たるものがあるが、知恵によって参入が可能なのはこの業種も同じようだ。
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