新興企業が躍進のサービス
「小売業」では、ご覧のとおり、業種上位20社に百貨店は入っていない。それに取って代わったと思われた、SPAで世界進出を図るユニクロのファーストリテイリング(全体順位30位)、家電量販店日本一のヤマダ電機(45位)、コンビニ、GMSを併せ持つ流通業界の雄セブン&アイ・ホールディングス(67位)さえをも尻目に、業種トップに立ったのはアパレルネット販売「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイだ。上場してわずか5年目。ここでもネットを使った新規参入と新しい業態が伸張しているのがわかる。トレジャー・ファクトリー(193位)も総合リサイクルなどニッチな分野で参入、業績を伸ばしている。サンドラッグ(174位)、ココカラファイン(198位)は、再編や合従連衡が続くドラッグストアの勝ち組と言える。
「不動産業」で業種トップは三菱地所(全体順位36位)。丸の内を初めとする賃貸だけでなく分譲にも注力する。続くエムティジェネックス(55位)はリニューアルと駐車場主体のジャスダック上場会社。総資産規模では三菱地所と比べるべくもないが、成長率と安全性に優れる。分譲関係の不動産業は、物件の販売や兼営の工事計上時期によって大きく順位が変動することに注意が必要だ。アーネストワン(655位→91位)、ファースト住建(616位→291位)、日神不動産(1995位→294位)、大京(圏外→315位)らが大きく順位を上げている。
「サービス業」では業種上位20社に漢字を使った社名は1社しかなく、それだけ新興企業の多い業種だといえるだろう。本編で詳述した初登場のクックパッド(全体順位13位)をはじめ、ディー・エヌ・エー(6位)、カカクコム(同13位・価格比較サイト運営)、エムスリー(18位・医師向け情報サイト運営)などは、いずれも成長性のスコアが1000点と満点で、規模の得点の低さを十二分にカバーしている。旧来の業種分類は、提供するものが、製品なのか、消費者向け商品なのか、サービスなのかで区分しているが、ITが発達した現在のビジネス環境では、真に売るべきものは「知恵」なのかもしれない。
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