復活傾向の自動車、電力は急落
「輸送用機器」はどうか。ここでは自動車関連の順位上昇が目覚ましい。業種上位20社のうち全体順位を下げたのは自転車・釣具関連のシマノだけ。他はすべて前年より順位を上げている。日産自動車が全体順位を123位から24位にジャンプアップ、トヨタ(22位)に肉薄した。2012年3月期までの中国シフトが奏功、大幅増収となり、震災等で減収になったトヨタを成長性の得点では上回った。
業種順位1位、2位はセットメーカーではなく、部品大手のデンソー(10位)、アイシン精機(21位)となったが、前者は安全性が、後者は成長性のスコアが高かった。
「その他製品」は、ここまで見てきた製造各業種にくくれない業態をまとめたカテゴリーだが、存在感が大きいのは印刷大手2強。印刷だけでなくエレクトロニクスや書籍電子化など多くの場面でしのぎを削るが、新・企業ランキングでは、総合得点11点の僅差で大日本印刷(全体順位149位)が凸版印刷(163位)を上回った。任天堂は219位まで急落したのは本編で触れたとおり。各指標別で見ると成長性が500点と最低点となっており、まき直しが急務だ。何でもありの業種ゆえか、目新しい業態も少なくない。多くはまだ業種順位20社に入ってこないが、どん尻に滑り込んだSHO-BI(全体順位941位)は服飾雑貨ファブレスのユニーク企業だ。
「電気・ガス業」では、震災、原発事故で企業基盤と収益環境が一変したのが電力だ。他社への電力融通を行った中国電力以外、すべて全体順位を下げている。福島第一原発事故によって東京電力は前年1055位→1844位に急降下。スコアの算出には12年3月期までの3年平均値を用いているが、安全性はすでに最低点となっている。他の電力各社も13年3月期のさらなる業績悪化は避けられそうにない。全体ランキングの上位2000に入ったのは表示した15社にとどまったが、次年度は、その数がさらに少なくなる可能性がある。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら