かんぽ生命総会、巨大アリーナにわずか266人 「閑散としている」と株主からの叱咤激励も

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これに対して、総務部担当の衣川和秀専務執行役は、「グループ3社の本社が東京なので、近隣地で探した。上場後初の総会なので、さまざまな条件がわかる前に会場を決める必要があった。グループ3社が連続して利用できるように、というのもあった」と、会場を選んだ理由を説明。

石井雅実社長は「叱咤激励をいただいた。株主と対話して、より愛される保険会社にならないといけないと思っている」と、今後に向けての反省課題であるとの認識を示した。

総会のスタートは10時で、終了は11時24分。12人の株主が質問し、主な質疑応答は以下のとおり。

「株価が公募価格を割っている」

――今後、株主優待を導入する予定はあるか?

衣川専務:関心が高いことは承知しているが、剰余金配当や企業価値向上、株主価値向上で報いたい。

――配当などで、ということだが、株価を上げないとおかしいのではないか。株価(21日終値2164円)が公募価格(2200円)を割っている。株主がそこまで売ったことをどう考えるか。

千田哲也常務執行役:マイナス金利の導入で長期金利が低下し、他の金融機関、保険会社と同様に株価が低迷している。真摯に受け止め、企業価値向上にしっかり努める。

――親会社の日本郵政は、残りの株式をどのようなタイミングで売却するのか。

千田常務:日本郵政が決めることなので、追加の売り出し時期、規模は申し上げられない。持ち株比率が50%になるまで段階的に売却するという方針に沿って、日本郵政がいろんな状況を勘案しながら決めていくのでは。

――低金利で厳しいということだが、収益をどう強くしていくのか。

「家庭市場に強い」と、かんぽ生命のユニークさを強調した石井社長(撮影:梅谷秀司)

石井社長:全国に郵便局のネットワークがあり、商品は簡易・小口で、家庭市場に強い。ほかの保険会社にないユニークな点だ。

今後、2025年に向けて団塊の世代が75歳になる。この事業モデルにチャンスがある。

また、今後、国の医療保障は収縮せざるをえないだろう。その分野で、しっかりとした戦略を持った商品を投入していく。日本郵政の保有する株が50%になると、郵政民営化法上では認可から届け出になって、経営のスピードが出てくる。

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