フィンテックで「保険難民」が大量発生する 「あなたの保険料は、来年から2倍になります」
金融業界に激変をもたらすと言われるフィンテック。「これまで受けられなかった融資が受けられるようになる」「手数料が格段に下がり、スピードが格段に上がる」など、ポジティブな評価が一般的だが、変化にはもちろん負の側面もある。
フィンテックの解説書『決定版 FinTech――金融革命の全貌』を上梓したNTTデータ経営研究所の加藤洋輝氏・桜井駿氏は、フィンテックの登場によってリスクが見える化されることで、従来より保険料が安くなったり、そもそも保険には入らずに別の手段でリスクに備えるといった変化の可能性に加えて、希望する保険に入れない「保険難民」が生まれるリスクがあると予測する。今回は、その「リスク」について解説してもらう。
フィンテックという言葉が話題になっている
近年、テクノロジーの発達とともに、より便利な金融サービスが次々と登場し、金融(Finance)×テクノロジー(Technology)を融合したFinTech(フィンテック)という言葉が話題となっている。ICTを駆使することで手数料や金利が大幅に下げられた融資・決済サービスや、AIによる資産運用サービスなどが、その代表例だ。
そして、フィンテックではこれまで、銀行や証券会社が提供している商品やサービスに対する新しいサービスが主にリリースされてきたが、昨年頃から保険の新しいサービスも登場してきている。たとえば、発展途上国に住んでいて保険に入れなかった人が、フィンテック・スタートアップが提供しているマイクロ保険商品の登場によって保険に加入できるようになってきている。
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