日本郵政、「最低決算」からの復活時期は? 利益は2期連続減少、高配当は維持されるか
2015年11月に上場し、多くの国内個人投資家の投資資金を集めた日本郵政グループ。その持株会社である日本郵政が5月13日発表した2016年3月期連結決算は厳しい内容となった。経常収益は14兆2575億円とほぼ前期並みだったが、経常利益は9662億円(前期比13.4%減)、純利益は4259億円(同11.7%減)と2期ぶりに減益となった。
主要事業を担う3社を見ると、日本郵便はゆうパックの増加などにより総取扱物数が14年ぶりに増えたことで経常増益となった。が、ゆうちょ銀行の運用益減少やかんぽ生命の保有契約の減少が足を引っ張った。
ゆうちょ銀とかんぽ生命が苦戦
上場後最初の決算である前期は減益決算となったが、このトレンドは今期も続きそうだ。2017年3月期について会社は、経常収益は前期比7.1%減となる13兆2400億円、経常利益は同20.3%減の7700億円、純利益は同24.9%減の3200億円と減収減益を想定。日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険がいずれも経常減益になる見通しで、この経常利益水準は2007年の民営化後で最低だ。
中でも経常利益、純利益で日本郵政の連結決算の9割以上を占める、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の減益が大きく響く。
かんぽ生命は旧区分(独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構から再受している簡易生命保険契約)が満期を迎えるなど、保有契約減少が続いている。養老保険や終身保険を中心に新契約保険を増やしているがカバーしきれておらず、経常利益は年々減少傾向だ。
この流れは今期も続き、2017年3月期の経常収益は8490億円(11.6%減)、経常利益は3100億円(24.7%減)となる見通しだ。なお純利益は、保険契約者へ支払う配当金の財源である契約配当準備金繰入額が減少するため、860億円(1.3%増)とわずかながら増える。
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