大手証券会社で、長年、個人の資産運用相談を担当し、接したお客様は3万人以上。さらに「経済や投資の基本テキスト」などのコンテンツを制作し、40万人以上に「経済とおかね」に関する授業を開催してきた大江英樹氏。
新入社員から、ファイナンシャルプランナーといったおかねの専門家に至るまで「これ以上ないくらい、わかりやすい」と評判の内容が、このたび『知らないと損する 経済とおかねの超基本1年生』として書籍化されました。
本連載では、書籍では紹介しきれなかった、人生のここ一番の選択から、日々の買い物まで、あなたが人生で損をしないために知っておくべき「経済とおかね」の超基本の一部をお伝えします。
「友の会積み立て」は、本当におトクなのか?
百貨店の友の会で、毎月一定の金額を積み立てていき、終了後に割り増しされた商品券や金券がもらえるという仕組みがあります。この「友の会積み立て」、意外と利回りが高いということで、マイナス金利の昨今、話題になりつつあります。しかし、この「友の会積み立て」は、本当におトクなのでしょうか。
一般的に百貨店の積み立てというのは、毎月1万円ずつを1年間積み立てていくと、終了後に積立合計額の12万円に1万円が上乗せされて13万円分の金券などがもらえるという仕組みになっています。つまり積立額に百貨店が1万円上乗せしてくれるということです。
これを利回り換算してみると、いくらになるのでしょうか。単純に12万円に対して1万円の金利がつくと考えれば1万円÷12万円=8.3%となりますが、これは正確ではありません。
というのは、最初に一度に12万円を預けるのであればこの計算でいいのですが、毎月1万円ずつ1年間かけて12万円ですから、毎回の積み立てたおカネはそれぞれ運用期間が異なります。
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