毎月分配型投信、“否定派”vs.“肯定派”
ひところほどではありませんが、相変わらず分配型投資信託、それも毎月分配型と言われるタイプの商品は、根強い人気があります。特に高年齢層で年金を受給している世代の人たちには、年金が2カ月に1回しか支給されないことから、「毎月分配金がもらえるのはありがたい」と、よく売れているようです。
しかしながら、とてもよく売れている反面、商品に対して懐疑的な見方をしている人が多いことも、また事実です。
「こんな商品はとんでもない! 社会にとって害悪だ」といった意見がある一方で、肯定的な人からは「齢をとると、毎月おかねがもらえるというのは本当にありがたい。このありがたみは、経験したことがない人でないとわからないだろう」といった声も聞かれます。
私自身は、分配型投資信託は保有していませんし、今後も保有するつもりはありませんが、こうした否定派、肯定派の意見は、いずれもうなずける部分はあります。ただ、両者が主張していることは互いに論点が違っているので、かみ合っていません。
否定派の人は、純粋に経済合理性から言ってろくでもない商品だという意見であり、これはまったく正しいと言っていいでしょう。分配金に対しては課税されるし、キャッシュアウトすることから、運用元本が減ってしまうからです。
一方、肯定派の人は、経済合理性よりも人間の心理のうえからはとてもよく考えられた有効な商品だと言っているわけで、これもまた正しい見方であると言えます。年配の人の場合、一定の取り崩しを行いながら運用したいというニーズがあってもいいからです。したがって、両者が議論をしても結論が出ないことは明白であり、どちらもそれぞれの視点からすると正しいことを言っているのです。
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