イオン、他社の不祥事を話題に誇示したこと 株主総会で岡田社長が熱弁、「中計」にも言及

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小
他社の不祥事が続発する中で、今年の株主総会はガバナンスについて多くの時間を割いた(記者撮影)

「現在、多くの優れた企業で経営陣の内紛やCEOの問題、あるいは取締役の問題、組織的な企業犯罪、隠蔽行為などいろいろなことが起こっている。イオンはほかの多くの企業とは違う」

5月25日に千葉・幕張メッセで行われたイオンの株主総会。岡田元也社長は1500人を超える株主を前に、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長兼最高経営責任者(CEO)の突如退任や東芝の不適切会計、三菱自動車の燃費不正などを意識したかのように、自社のガバナンス(企業統治)がいかに優れているかを誇示した。

岡田社長は総会冒頭で、「今、企業統治元年という記事を多く目にする。この機会にイオンのガバナンスを説明したい」と話し、ガバナンスの説明に多くの時間を割いた。

取締役の過半数は社外で構成

その中で、「イオンは2003年に委員会設置会社に移行した。上場企業としては2番目の早さだ」と強調。さらに「われわれは会社法などが求める内容以上のことをしている。取締役の過半数が社外取締役であり、すべての委員会の議長も社外であるほか、監査委員会についても全員を社外で構成している」と、経営の客観性や透明性について述べた。

現在は多くの企業が社外取締役を入れ始めているが、メンバー選定が重要であることも指摘。「われわれはさまざまな分野での第一人者、優れた能力を持っておられる日本を代表するメンバーで構成されている。執行側として本当に恵まれている」とした。

さらに、岡田社長は次期3カ年計画について、今年夏に発表することも明かした。「大幅な事業の組み替えやグループ再編・統合、新規分野への進出を視野に入れている。売上高は8兆円を超えた。これからはふさわしい収穫を手にいれる。そのためにはリテール、ダイエー改革をしないといけない。さらに中国、ASEANで蒔いたタネも収穫しないといけない」と話した。

次ページGMSのテコ入れ策は?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT