携帯最大手のNTTドコモは6月16日、千代田区のホテルニューオータニで株主総会を開催した。所要時間は2時間5分(昨年は2時間8分)。会場に訪れた株主は3496人(同4077人)で、2年連続で減少した。剰余金の処分(配当70円)、取締役15人選任、監査役1人選任の全3議案はすべて拍手を持って過半数の賛成を得たと判断し承認された。
社長を4年務め、今総会後に取締役相談役に退く加藤薰社長にとっては、最初で最後の増益決算後の株主総会となった。
加藤社長は「フィーチャーフォンからスマートフォンに急速にシフトする中でネットワークの維持向上という使命を果たすべく頑張ってきた」、「アイフォーン販売やドコモ光のサービスを開始する一方、新料金プラン導入で1200億円も下方修正した」、「(就任)当初3年はご心配をかけたが、2015年度は増収増益。2016年度は中計を1年前倒しで達成できそう。そんな中で吉澤新社長にバトンタッチできることに安堵している」などと語った。
お土産から「食品」が消えた
今回の株主向けお土産は「らでぃっしゅぼーやジュースセット」「ポインコ(dポイントのキャラクター)のぬいぐるみ」「ドコモロゴボールペン」「dポイントカード」。前回が「らでぃっしゅほーやのお菓子セット、野菜ジュースとマドレーヌ、バームクーヘンのセットだったことを考えると、今回は食べられるものはなくなり、dポイント関連のぬいぐるみやカードが加わった。これには、dポイントに代表されるスマートライフ領域が、通信事業に次ぐ収益柱として育ってきたという自負があるようだ。
議長を務める加藤社長のプレゼンは、映像による説明を約10分挟んで10時00分~10時26分までで終了。続いて加藤社長が議案の説明をした後、2013年から社外取締役を務める村上輝康氏(元野村総合研究所理事長、ベネッセHD社外取締役)が5分間、「社外取締役として議案すべてに発言するようにしている。ドコモでは社外取締役の意見が反映されている」などと話をした。
今回の役員人事で注目を集めていた、新任社外取締役の遠藤典子氏からの発言はなかった。遠藤氏は経済誌出身で慶応大学大学院政策・メディア研究科特任教授を務める。今回は株主から質問された場合のリハーサルをして臨んだが、就任の抱負を求める声はなかった。
今回、13人の株主が質問した。主な質問は次ページ以下のとおり(肩書は総会の決議前のもの)。
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