ドコモは営業益8000億円の呪縛を解けるか? 中期計画を1年前倒しで超過達成の見通し

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携帯業界トップのドコモは、長きにわたった低迷を脱することができるのか(撮影:今井康一)

「就任4期目にして初の増収増益であります」。NTTドコモの加藤薰社長はそう言うと、ホッとした安堵の表情を見せた。

加藤社長がトップに就任したのは2012年6月。今回は初の増収増益決算だ(前回の増収・営業増益は2012年3月期。2013年3月期は増収減益。2014年3月期と2015年3月期は減収減益)。冒頭で熊本地震について神妙な面持ちで語ったときを除いて、終始笑顔だった。

主力の通信、周辺事業も好調だった

ドコモの2016年3月期決算は、営業収益が前期比3.3%増の4兆5270億円、営業利益は同22.5%増の7830億円だった。主事業の通信事業が順調だったほか、コンテンツサービスや通販子会社などを含むスマートライフ領域も事業柱として育ってきた。

通信事業は728億円増益の7089億円。契約純増数が前期比3割増の437万契約と順調だった。MNP(番号持ち運び制度)による流出も10万契約と前期比で7割減った(前期は38万件減少)ほか、解約率が0.62%(同0.61%)と低水準を維持した。販売台数は新規が29%増の1161万台、機種変更を含めた総販売台数は10%増の2606万台だった。

スマートライフ領域は、前期比455億円増益の787億円で、計画を87億円上回った(前期に計上した、スマホ向けテレビ局のNOTTV事業を手掛けるmmbiの巨額減損を除いたベース)。dマガジン(雑誌読み放題)などのコンテンツサービスや、セキュリティサービス、端末の補償サービスなども順調に伸びた。第4四半期にmmbiの違約金やその他子会社の減損を計上しているが、それを除けば568億円増益の900億円だった。

これらのほか、2200億円を見込んでいたコスト削減(前期実績1200億円)が200億円超過の2400億円削減となった。

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