ソフトバンクがPepperだらけの店を出す理由 客寄せパンダの「卒業実験」は成功するか?

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店頭には合計10体のペッパー。先頭に立ってあいさつするのは「店長ペッパー」だ

「客寄せパンダ」から卒業できるのか。携帯会社大手のソフトバンクが、人型ロボット「Pepper(ペッパー)」が接客する「Pepperだらけのケータイショップ」を東京・表参道に出店した。

店舗は3月24日~30日の6日間限定で、営業時間は12時~19時と短い。Pepperのバッテリーは12時間持つが、表参道の顧客は朝が遅いので、それに開店時間を合わせたものだ。

まずは1階の「商品案内ペッパー」が顧客を出迎える

1階には「店長ペッパー」「商品案内ペッパー」「呼び込みペッパー」の計4体。2階には「契約ペッパー」「商品お渡しペッパー」が各1体、3階では契約が完了し、商品受け渡しを待つ顧客向けに踊りを披露する「エンタメペッパー」の4体が接客する。

市場調査会社ROA社の調べでは、人型コミュニケーションロボットが受け付け、ヒアリング、提案を行う店舗は世界初だ(2016年1月26日時点)。ただし、契約の一部については、店員が本人確認書類のチェックなどをサポートする。

販売する商品はiPhone6sのみ

記者が商品案内ペッパーの胸についたタブレット画面で「おすすめ商品」をタッチすると、「録画対応デジタルTVチューナー」が後方の大型ディスプレーに表示された。その画面で「購入する」を触ると、QRコードがついた用紙がプリントアウトされる。紙には「誠に申し訳ございませんが、ショップ在庫を切らしております。Webサイトでのご注文をお願いします」と書いてある。

そうなのだ。この店舗は米アップルの最新スマホ「iPhone6s」しか販売していない。しかも新規契約と他社からの乗り換えのみで、機種変更はできない。法人契約や未成年者の契約もできない。

激しいダンスを披露する「エンタメペッパー」。商品を待つ客を楽しませるのが仕事だ

それはさておき、2階に上がると、奥に「契約ペッパー」が待ちかまえている。ここで契約を済まし、本人確認など審査がすぐ終われば2階の入り口で商品を受け取れるが、審査に時間がかかる場合は3階で待つことになる。

3階では東京電力と協力して提供する「ソフトバンクでんき」を宣伝しながら、4台の「エンタメペッパー」が激しく踊っていた。首・腕・腰が折れてしまうのではないかと、見ている者が心配になるくらい過激な動きだった。

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