――(株主総会で)障害者のための点字や音声ガイド、拡大文字などの準備をしてほしい。
加藤社長:ごもっともでございます。多くの株主に来場いただきコミュニケーションを取りたいので、次から工夫していきたい。商品ではメールの読み上げ機能や、手で触ってわかるような工夫をしている。
――5割以上あった配当性向が今回5割を切った。次はもっと下がる。せめて5割を維持してほしい。
谷取締役:配当性向の数値目標をもってはいない。4割後半というイメージは持っているが、きちっと増配をつづけることが安心につながると思っている。配当総額は2011年以降、増え続けている。
――安倍首相の値下げ指示を受けて、スマホ料金のあり方を検討するタスクフォースが集中審議をした。その後にドコモはライトユーザー向けや長期ユーザー向けの割安プランを出した。これは、ドコモが他社よりも政府の意向に影響されやすい立場にあるからではないか。通信料金は民間企業として検討しユーザーに是非の判断を委ねるべきもので、無批判に従う必要はないのではないか。
阿佐見常務:タスクフォースで議論されたことは、ユーザーの声を集約して総務省が問題提起したものなので、真摯に受け止めて対応してきている。今後ともお客様の声を聞きながら、競争の中で切磋琢磨していきたい。
加藤社長:通信事業はドコモの中核中の中核で、料金体系は経営の根幹。料金体系を変えるときは慎重に検討している。2014年度に「新料金プラン」を導入し、1200億円の下方修正を中間決算で行ったが、私の心の傷として残っている。今は回復途上だが、その反省を踏まえて、顧客満足と継続的な事業発展の両立を大事にしている。(会場からパラパラと拍手)。
係争中のインド案件は、年内にも判決
――インドから撤収したことについて株主招集通知に特段の記載がない。国際仲裁裁判所で係争中だと聞いたが。
坂井副社長:ドコモは7年ほど前、2009年3月にインドのタタに出資し携帯事業に参画したが、それ以降、電波行政がかなり混乱した。オークションでいただいた周波数帯を返却するなどの混乱があった。携帯電話が乱立し過当な料金競争が起きた。それで2014年4月に撤退を決めた。
一昨年前のことなので招集通知書に書いていない。現在、ロンドンの国際仲裁裁判所に提訴している。撤退するに当たっては、もし当初決めた業績目標が未達ならば出資金額の半分か公正価値の高い方で買い取る契約をしている。タタが買い取らないので提訴した。本年中には何らかの結論が出る。私どもの主張が認められると思っている。
――失敗に懲りず海外に打って出た方がいいと思う。
加藤社長:多くの教訓を得ているのでそれをベースに進めていきたい。
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