ソフトバンク、「アリババ株4%売却」の舞台裏

なぜ、このタイミングで初の売却を行うのか

ECの流通額で世界最大手に躍進したアリババ。ソフトバンクの孫正義社長は、アリババを率いるジャック・マー会長(左)の経営力を見抜いた自身の眼力を自画自賛する(撮影:梅谷秀司)

有利子負債は11兆9224億円(2016年3月末)、国内でもトップクラスの借金企業であるソフトバンクグループ(以下ソフトバンク)。年を追うごとに負債が膨張しても資金繰りに困らなかったのは、さまざまな調達手段を駆使していることに加え、「いざとなればアリババ株を売る」選択肢があるからだった。それが今回、初めて実行される。

ソフトバンクは6月1日、中国の子会社が保有する「アリババ グループ ホールディング」(以下アリババ)の株の一部売却を発表した。アリババはソフトバンクの持分法適用会社で、中国ECサイト最大手を傘下に擁する持株会社である。

保有株の時価は約6.7兆円

ソフトバンクは現在32.2%のアリババ株を保有している。アリババへのこれまでの投資総額は105億円なのに対し、保有株の時価は足元で約6.7兆円にのぼる。

今回手放すのは、合計79億ドル分(約8600億円)のアリババ株(29億ドル分の売却と、50億ドル分の担保としての提供)。これによって、出資比率は32.2%から約28%に低下するが、持分法適用会社であることに変わりはない。調達した資金は有利子負債の返済や事業目的に活用する。

仕組みは複雑だが、重要な点なので以下に丁寧に解説していこう。

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